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内容説明
「…まだ、使っていたのだね」「え、それはそうですよ、エルミナからいただいたものなのですから」マルクが差し出した銀時計にエルミナが触れた瞬間。エルミナは、“在るはずのない景色”―瑞々しい野原の中の、まだ蜃気楼ではないヴァレンシュタイン家の庭―に、一人佇んでいた。「…揺り籠に、囚われたというのか」それは、“アルス・マグナ”が見せる“精杯の姫”のための世界。あるいは、“精杯の姫”が“アルス・マグナ”のために見る夢か。奇妙な時の狭間に落ちたエルミナが辿る、忠実な執事たちとの愛しき日々の欠片たち。この追憶は、エルミナを何処へ誘うのか…。
著者等紹介
手島史詞[テシマフミノリ]
第19回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞作「沙の園に唄って」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
11
短編集。雑誌連載短編を整理しつつ、最期に書き下ろしの次巻に繋がる「前日譚」を描く。 今更ながら驚いたのだけど、今作のモチーフって禁酒法時代だったんですね……てっきり西部開拓時代の片田舎かと思ってた。 結構この時代にあった映画をモチーフにしたサブタイ、展開、小ネタがあって面白かった。 繰り返しのギャグテンポやお約束のオチなど、堅実な構成の上手さから生まれる安心感。これがカップル応援に繋がるのかも。 書き下ろしはベタだけど、これぐらいやってもOKと思えるエルミナのメインヒロイン力はカンストしている。良きかな。2021/02/08
晦夢
8
短編集。エルミナが過去を追体験していく形式。屋敷の人たちの日常と、マルクの過去。マルクの過去はなんか初々しくてよかったな。2013/11/28
ダージリン
6
エルミナの可愛らしさが際立つ一冊でした・・・大満足です。口の悪かったマルクは意外ですが、最後の話は特に好き!2010/05/23
紅羽
5
短編集。マルクがカナメやアイシャ、エルミナたちと服を選んだり、古本を見に行ったりと、楽しいお話ばかりでしたが、いつもオチはマルクの不幸で締められるという…(笑)個人的には五章の口の悪いマルクがお気に入りです。口は悪いけれど、彼の内面から滲む優しさが感じられました。エピローグの下りは何故ああなったのか謎ですが(笑)2013/04/24
みどり
4
短編集の作りだけど、エルミナとマルクの時間異動の出会いが素敵だった。やっとすべてがつながった。ここから、残り半分は私にとっては新たに紡がれるお話になる。2017/04/27