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内容説明
鵬翔学院高校に通う矢神遼は、ある日、奇妙な紳士から、波形の鞘に収められた短剣を押しつけられた。『この剣は、抜くことができた人間に強大な力を与えてくれる…』謎の言葉を残し、紳士は去る。一見、どうやっても抜けそうにない形状をしたその剣を、なぜか遼はあっさりと抜くことができた。しかし、その日を境に、遼の周辺ではバラバラ殺人事件が連続して発生する。しかも、被害者は遼に不快な思いをさせた人物ばかりであった。『僕は無意識のうちに殺人を犯してしまったのか?』いま、遼の運命は大きく変わろうとしていた…。ファンタジア大賞出身の新鋭が贈る、書き下ろしサスペンス伝奇アクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春一番
16
高校生の主人公が超古代文明の武器を手に入れたことから戦いに巻き込まれていくというストーリー。伝奇SFから小難しい歴史背景を抜いて単純にした感じかな。バトルものだけどほか作品と一線を画すのは終始作品中に漂うシリアスでサスペンス的な雰囲気。乙一先生がファンだと言うのもそういう関係からなのだろう。今からでもぜひ映像化してほしい。アニメよりも当時の雰囲気を再現した実写特撮ドラマとか作ったらニッチな層に受けるかも?ナイトヘッド的なやつになると思うのだけど。
微塵子大魔王
5
サスペンス伝奇アクション。正直言って地味だし暗い。ですが、その雰囲気があってこそ際立つ心情描写が魅力的でした。望まずして強大な力を手に入れてしまった遼が従妹の万里絵の助けを借りながら、力の使い方、自分がやるべきことを考える。善悪の書き方が巧いですね。自分の知らない時代の知らない文明の知らない技術を使った剣に戸惑いながら選んだ行動は果たして正しいものなのか。続きも読んでいこうと思います。2025/07/15
クイックラック
3
再読。本棚から無意識に取り出して読み出したら止まらなかった。誰にも知られることなく繁栄し滅亡した超古代文明イェマドの遺産を手にした遼の身の回りで殺人事件が多発。無自覚に人を殺しているのでは、って悩むただの高校生が人の心の闇に立ち向かう姿に初めて読んだティーンエイジの頃には「……なんちゅうもん読ませるんや……」ってなったもんだけど、オッサンになってから読んでも「……なんちゅうもん読ませるんや……」ってなった(笑)ダメだ。全巻再読したくなったぞこんちくしょう。2025/06/02
Y
3
まだそこまで面白さがわからないが。続きを読んでいきたいとおもう2024/11/24
gayuu_fujina
3
本棚整理の関係で発掘されたので再読。デビュー2作目なのに完成度の高い文章と、少年期の危うさと大きすぎる力の組み合わせを、俺Tueee!にせず、正面から描く本作は、今の若い人向けでは無いけれど、本当は今中高生の人にこそ読んで欲しい作品だと思う。ただ残念なのは、作者が富士見から切られてしまった(トラブルがあった可能性も…前科持ちの編集部だし)為、再版される可能性が0であり、再び世に出る可能性が殆ど無い事か。2010/03/31