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内容説明
トナルの森の墓場から蘇った青年―。彼は精霊人の呪術師ペペによってパンタ・トナルと名づけられた。パンタが目覚めたこの世界は“霊樹界”という異界であった。ここで蘇った者は“樹界参入者”と呼ばれ、“円の向こう側の世界”へ転生するための“枝”を求め旅立たねばならないのだ。この“霊樹界”では生まれたばかりの赤子のように無防備なパンタ。彼は守護精霊“影の豹”に見守られながら旅を続ける。そしてパンタはひとりの美しい少女と出会った…。岬兄悟が新境地に挑む、魅惑の幻想冒険ファンタジー。書き下ろし新シリーズ第一弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
61
ファンタジーに徹した作品。笑いはないが、岬さんらしい要素はたっぷり。墓からのよみがえりというイメージを、ここまで具体的に描いて見せたのはお見事。意識が戻るってどんな? というつかみどころのなさそうな現象も文章化。原初にもどった人間がどのように森とかかわっていくか、いわゆるファンタジーとしてのお約束的要素とどのように絡ませていくかが見どころ。後半が思いがけずスピードと危機感があって、主人公の行く末にハラハラさせられた。3冊シリーズなので続きはどうなるか。示された世界観との関係がどうなっていくかが楽しみ。2021/07/10