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内容説明
1996年。日本は死にかけていた―。数年前の原子炉事故は多量の放射能をばらまき、環境も、人をも触んでいた。だが、みずからの権益のみを求める権力者たちは、社会不安を封じこめるため、日本憲兵隊を組織、言論統制を強化するとともに、一般市民の海外渡航を禁止、さらに各種の麻薬を自由化した。生きる気力を失った人々。その中でひとりの少女が立ちあがる。迫りくる破滅から地球を守るために。“あの悲劇をくりかえしてはならない!”しかし、そんな彼女を、謎の敵が狙っていた!!彼女の名は明日香。かつて火星と木星の間にあった、太陽系五番目の惑星アスカの生き残り―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おじまふみひこ
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フクシマを機にこの作品の存在を知った。幸いにもフクシマはそこまで致命的ではないとは思われる。けれども人類の肉体は、備えもなく自然界に存在しない核種に蝕まれずにいられるのかというのは本質的問題だ。人類は有機物である限りにおいて核とは共存できないだろう。もちろん小説ならではの問題、作者の事実認識の誤りもあるだろうが、この想像力を前にすれば些細なモノである。絶版にこそなったが引き続きamazonのマーケットプレイスで買えるので、是非とも読み、想像力の一助として欲しい。なおイラストは高田明美さんが担当されている。2011/12/09