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内容説明
平凡な学校生活。側にある梓ちゃんの笑顔。戦って、僕は退屈だけど平穏な日々を手に入れた…だけど。カプセルの禁断症状に苦しみながら、景は思う。―結局、僕は“日常”に馴染めないのかもしれない。セルネットの壊滅から3か月。春を迎え、進級し、景たちは新しい道を歩み始めていた。悪魔を召喚できるドラッグ・カプセルと、それがもたらした一連の出来事は、確実に過去になりつつあるはずだった。しかし―カプセルが創り出した“もうひとつの世界”は、密やかにその闇を深めていたのだ。日常に違和感を抱く孤独な景の前に、再び“彼女”が現れる時、王国への真の扉が開かれる―。ネオ・アクション・サスペンス、魂が引き裂かれる第5弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
14
第二部。あれだけ盛り上がった第一部はただの前座だったのかと思えるくらいの密度があったな。日常に戻りつつあるメンバーと戻れないことに苦しむ景。この日常シーンでの景の掘り下げがあったからこその後半の展開には驚かされた。今回一番よかったのは電話のシーン『誓う。たとえ僕がこのあとどうなろうと――最後の瞬間まで、僕は、君が好きだ』ここが印象に残った。最終決戦はどうなるのか、二人の結末も含め大きな期待を持たせた回だった。2014/07/08
のれん
10
最初はたまたま他人に興味が薄かっただけ。でもそこから排斥され、徐々に孤立していく。時代は変わったというけれど、現代には必ずこの薄暗さが隠れている。 人の中に馴染もうとする気持ちと、衝動に任せたいという気持ち。どちらも景の本心であり、そこに善悪はない。 だから彼を繋ぎ止める梓の、自信溢れる信頼が何よりも眩しい。 今回は仕草の描写が印象的だったが、最期に家での煙草から電話までの描写は、甘くゆっくりで瑞々しかった。 真っ直ぐなダークストーリー。作者らしさが溢れんばかりで非常によろしい。2021/02/04
椎名
9
第二部突入。これまでわからなかった景の心情がはっきりと描かれ、恋愛側も怒濤の展開。0.5秒の回答にはようやくか!と思わされたが、こんな状況でもなければ口にはしなかったであろう大切にし過ぎている梓への思いが魅力的なんだよなあと。カプセルを飲まず、現実に向き合おうとする景と、シンプルで、明確な実感を伴ってただ戦いを求めた甲斐とどちらも別のベクトルで格好よさを発揮した。質量のある第五巻でした。2015/01/01
U
7
レイヴンにつられてここまで再読。コミュ障ぶりが愛おしい主人公です。ラストの電話のシーンがやっぱり好きだなあ。0.5秒wwwwww なんだかんだ景ちゃんの女王様は梓なんだなあとニヤニヤしたり。千絵ちゃんせつない。2013/11/14
(▼皿▼)<デデンデンデン
4
傑作。「す、好きだ!」じゃねーよ、まったくよう! 仮初めの平和を前にして、主人公の社会不適合っぷりが露わになる話。戦闘では鬼のように強いのに、「人と仲良くなる」にこれほど手こずる主人公が愛しいね。そして、終盤の急展開には度肝をぬかれた。あざの作品の敵キャラは容赦ないなー。主人公サイドの一番の武器になっていた「絆」を奪われるという修羅場ですが、主人公たちがあまりにラブラブしているので、なんとなく希望も持てるという。鬼引きでした。2009/07/08




