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内容説明
「起きてよケイ!もう朝だって!」可愛らしい元気な声で、式見蛍の一日がまた始まる。枕元で彼を揺り起こすのは、超絶美少女。甘~い同棲生活―かと思いきや、同居人の正体は浮遊霊だった!?一見フツーの高校生・式見蛍は交通事故を機に「自分から半径2m範囲内の霊を実体化する」という特殊能力を得る。その結果、記憶喪失の幽霊娘・ユウに「憑きまとわれ」ることに。普段はフワフワ浮遊している彼女も、蛍の側では体温&感触のある普通の女の子で―。容姿端麗だけど横暴な先輩・真儀瑠紗鳥やクラスメイトの巫女娘・神無鈴音らに囲まれて、蛍の賑やかな日常生活が幕を開ける。第17回ファンタジア長編小説大賞佳作。ファンタジック・ゴースト・ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nob
12
第17回ファンタジア大賞<佳作>受賞作。葵せきな先生デビュー作。生徒会の一存やゲーマーズ!を思い浮かべているとかなり意外なシリアスな作品。事故を契機に霊感と霊を物質化する能力を獲得してしまった死にたがりの少年ケイが幽霊のユウや巫女の神奈鈴音、部活の真儀瑠先輩とともに、都市伝説に立ち向かう。幽霊ヒロインを読む度に、復活する展開を期待してしまうけど、主人公の能力がそれとは少し違う展開を創っていて面白かった。ユウはなぜ幽霊になってしまったのか。次巻も読みたい。挿絵はてぃんくるさん。今と少し違う作風だけど好き。2019/08/25
ツバサ
9
死にたがりの主人公と既に死んでいる幽霊ヒロインの奇妙なコンビが織り成す賑やかでちょっとシリアスな物語。うん、凄く面白かった。前から読みたいと思ってて、やっと手に入れて読む余裕が出来たので読みました。暗い話かと思ったけど、楽しい話だった。葵せきな先生はどんな題材でも楽しませくれたり、泣かせてくれるので好きです。続きを読むのが楽しみです。2016/07/13
王蠱
4
生徒会シリーズ終了ということで購入してみた。主人公の言動こそちょっと一般感覚とは異なっているがそこを外してみれば王道っぽい気も?シリアスと笑いの”波”が唐突に感じられる部分も多かったがキャラの魅力は十分にあった。2012/01/25
白義
4
自殺志願の主人公、という根暗で病んでる要素で、ラノベの模範的な清く明るく正しい青春萌えアクションを描いたところにニヤリ。幽霊少女ユウ、学生時代のマギル、巫女クラスメートの鈴音と美少女たちも可愛く彩り豊かで安定して外れがない。生徒会とはかなり作風が違うのだけど、ノリのいい会話はデビュー時から変わらないのが特徴。飛び抜けた要素は意外とないのに、自殺願望やヒロインの設定、都市伝説と組み合わせ方が上手いところに手慣れたものを感じる2011/10/20
FFLJAPANter
3
あそびのかんけいを読んだ時に思い立って再読。デビュー作にあたり、荒削りな筆致が主に地の文に見られるが、葵せきなのエッセンスがふんだんに含まれている。特筆すべきは「自殺志願者」の主人公、その異様さを最大限表現しきるプロローグ。偏執的とも言える自己犠牲の精神。生と死を扱う重めの基調でありながらも、浮かずにキチッとコメディをかます胆力。そして締めるところは締める部分。伏線の張り方。既に「あそびのかんけい」へと繋がる原型が出来上がっている。最後にこれだけ言わせてください……、やっぱり『在れ』はかっこいいんすわ……2025/09/30