内容説明
「人間50年、天下のうちをくらぶれば、夢幻の如くなり…」。信長は舞いながら具足を身につけ、濃姫や待女たちが見送るひまもない素速さで出陣した。めざすは今川義元の陣を敷く田楽狭間。やがて、信長は馬前に義元の首をもたせて、清洲への道をいそぐ―。尾張那古屋城の大馬鹿少年織田信長が、斎藤道三の娘濃姫と結婚し、天下の覇者をめざし成長してゆく颯爽たる雄姿を、独自の視点から描いた異色歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
異紅狐
5
未完…未完!?でした。信長がかっこよく描かれているので、満足。変な人と思われながらも、わかる人には分かる、すごさを持っていて。思っていた以上に読みやすくて、安吾さんの他の作品も読んでみよう。とりあえず、信長を読もう。 そちらは完結しているらしいので。2015/11/26
みやちゅー
2
織田信長好きだな。 司馬遼太郎の国盗り物語3巻4巻が好きだけど、この本は、この本で、面白い。信長についての記載は、国盗り物語と酷似。1948年初版だから、こっちが先だよね。2015/02/13
yuzi
1
初・安吾。読みやすい!なんだこれ!この人はカタカナを多用しますね。どういう基準で使ってるのか気になって仕様がない。途中途中に安吾による歴史背景とか人物像についての解説が挟んであって興味深い。織田信長。やっぱり尋常じゃないお人だったようです。ほぼ文章のみで進む短篇「信長」と長篇小説「織田信長」が楽しめます。信長を理解し得たのは舅の道三と松永弾正のみであったと安吾はいう。これまた面白い。2011/12/28
Tooru Araki
0
戦国武将、信長と道三の世間一般的な人物像が描かれていた。未完とは残念。続きを読んで見たかった。2017/05/04
seizsakaki
0
未完の作。大好きな作家なので、読んだ。信長=悪魔という論理づけ。されつくした感があるが、ひとつのことに特異な才能を持つ人という意味だろう。じゃあ信長は泰平の世になったらどうやって生きるつもりだったのだろう?そもそも泰平の世を作るつもりだったのか?逆に、戦乱の中での死は、平和を作るために必要だったのでは?2014/10/20