内容説明
人間の飽くなき想像力が生み出した“ホラー”という暗黒の迷路。『フランケンシュタイン』『サイコ』『ゾンビ』『キャリー』『エイリアン』…古典・現代を問わず、あらゆるメディアにまたがって数多くの作品を一挙紹介。豊富な知識で語る案内人は、巨匠スティーヴン・キング。戦慄と恐怖の調べの中「死の舞踏」が今始まる。
目次
第1章 1957年10月4日、あるいは舞踏への勧誘
第2章 フックの話
第3章 タロットの話
第4章 ちょっと寄道―自伝という名の試練
第5章 ラジオの世界のリアルさ
第6章 現代アメリカのホラー映画―テキストとサブテキスト
第7章 ジャンク・フードとしてのホラー映画
第8章 ガラスの乳首、または、このモンスターはゲインズバーガーの提供でお送りいたしました
第9章 ホラー小説
第10章 ラスト・ワルツ―ホラーと道徳心、ホラーと魔法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マリリン
17
偶然手元にあり『ギリシア宗教発展の五段階』に死の舞踏の事が記されていたので読んだ。講義を本にしたものらしい。「ホラーの作り手が、意識と無意識とを一つの強力な意図のもとに結び合わせる瞬間ーこれこそ〈死の舞踏〉と呼ぶにふさわしいではないか」と記されているが、ホラー小説を色々な角度から語っている。「ラジオ世界のリアルさ」「ジャンク・フードとしてのホラー映画」「ラスト・ワルツ、ホラーと道徳心、ホラーと魔法」等全十章は大変魅力的な内容だ。第九章「ホラー小説」は約250㌻に及び、読んでみたくなる本が沢山登場する。2018/03/22
アカツキ
11
50年から80年代のホラー文化を語った本。映画、ラジオ、テレビ、小説、コミックと幅広い。5章のラジオドラマの話が好き。定番の「宇宙戦争」の話も良いけれど、「歯医者の一日」も面白い。歯医者は間男の女たらしの部分を少し抜き取るためにどこに穴をあけたのか…。うん、どこだろうと怖い。好きな作家の名前を見つけて嬉しくなった。2020/02/07
南註亭
8
前回読んでからまだ1年経っていないかな。 本書はナイトキャップがわりの1冊なので読了に数か月かかります。 たぶん年内にまた読み始めるでしょう。 以前から思っていたのですが、本書のハイライトはレイ・ブラッドベリの『何かが道をやってくる』についての部分ですね。 ここを読み解けばおそらくキングの全てが理解できます。 しかし、デビュー4年後の著書とはとても思えません。2013/05/05
やっさん
6
映画館で映画見ていたら「ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された」という臨時ニュースが流れたこと、ソ連の有人ロケットが成層圏を超えて無事戻ってきたとか、恐怖の原体験エピソードが興味深かった。実際、『11/22/63』なる小説を上梓しているし。原体験って大きいんだな。あとはブギーマンがどうとか、ラブクラフトがどうとか、断片的な記憶しかない…。2006/08/28
南註亭
4
母校の大学で行なった講義をまとめたもの。 古今のホラーやSFなどについて述べられているが、B級映画などにも触れられている。 ホラーやSFの事典としても、また、キングの自分史としても読める。 『呪われた町』を読んだら、次に本書を読んでみるといい。 私は、2〜3年に1度は読み返している。画像と目次。 https://picasaweb.google.com/110311647048093794491/ifccDI#5566545920426242210