内容説明
12億近くの人口をかかえ、三千年の歴史を持ち、いつの時代にも世界に多大なインパクトを与えてきた中国。社会主義の崩壊・変転が急速に進む今日の視点からみて、1949年の中華人民共和国の成立とは何であったか。文化大革命、林彪事件、「四人組」の興亡、近代化路線の邁進など劇的でダイミナックな現代中国の政治変動の内実を描く超一級の政治論。
目次
第5部 大乱の渦
第6部 世界の中心
第7部 小皇帝
第8部 揺らぐ天命
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
wei xian tiang
3
文革のリンチ殺人の大規模さと残虐ささえ,我が国では何故か風味を薄めて控えめに語られるのが通例だが,何のことはない,適当な無抵抗の人間を次々「敵」に仕立てて数の暴力を以て吊し上げ,文字通り嬲り殺すのは文革以前にも,広場で地主を撲殺していた頃から何度かの波を以て繰り返され,その度洗練を加えてきた,共産中国下一種の慣習化した行為なのである。「敵」とされた者の罪状の真偽は問われることはない―既に加えられている暴力が新たな暴力の理由として十分とされる。連合赤軍のキャンプのような,同胞相食む陰惨な社会である。2017/09/19
西下健治
1
中国の近代史。毛沢東と鄧小平の二人が清王朝崩壊後の中国で、どう天下を取って行ったか、また維持しようとしたのか。この本は国取り物語ではないが、こんな文章がありました。。。明らかに優位に立つ者がいなければ必ず「動乱期」に突入するというのが、中国における現実であった。2014/06/21