内容説明
いなかの古い屋敷にあずけられた少女、グリゼルダ。ある日のこと、その屋敷に代々伝わる時計の中に住んでいるかっこうに出会い、不思議な世界への冒険に旅立ちます。―1877年の初版以来、世界中の子供たちに愛読され、“ファンタジーの元祖”と評される幻の作品。待望の初邦訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
90
英国の童話です。福武文庫でこのような童話が出ているとは知りませんでした。お気に入りさんの感想を読んで手に取りました。英国の古き時代の話である子どもが親を亡くし、その係累の大きな屋敷に引き取られます。そこにはカッコウ時計があり、そのカッコウが主人公の少女をさまざまな世界に連れて行ってくれます。昔ながらの挿絵もあり楽しめました。2023/09/03
ばう
63
★★★ 田舎の古い家に預けられたグリゼルダ。話し相手はその家に住む老姉妹と老召使い、それに家庭教師のお爺さん先生だけ。そんな暮らしの中で彼女は時計の中のかっこうと仲良くなり色んな世界へ一緒に行き楽しい時間を過ごすようになります。ファンタジーだけれど子供が正しい行動、考え方とは何か、という事を学べる本でもあるようなお話でした。19世紀の子供達はみんなこんな本をワクワクしながら読んでいてのかしら?クリスティの『運命の裏木戸』にこの作者の本が沢山登場していると解説に書いてあったのでこちらも再読したくなりました。2023/11/28
のせ*まり
29
小学生の頃、何を読もうか迷った時は赤木かん子さんの本を参考にしていたので、解説で久々に彼女の名前を見て手に取ってみた。児童文学畑の私にとっては懐かしい雰囲気。少し教訓臭いけど、ネズビットやノートンの先駆者って言われて納得。アガサクリスティも子供の頃読んでいたらしいので、古さは仕方ないのか。。幻想的な雰囲気は好きだった。次のジブリ作品にぜひ!2017/07/28
Ribes triste
13
母を亡くし、イギリスの大叔母姉妹の家にあずけられたグリゼルダは、お屋敷の中の不思議なかっこう時計を見つける。それはグリゼルダの祖母のために作られたもので、かっこうはグリゼルダを不思議な世界に連れて行くのでした。楽しい時間と切ないお別れ。アーネスト•H•シェパードの挿絵が美しく、かわいらしい。2023/08/21
星落秋風五丈原
10
両親が亡くなった女の子がドイツからイギリスの遠い親戚の家に送られてくる。そこにいるのは3人の老女で親切な人々なのだが、彼女は自分と同じ年ごろの遊び相手が欲しくて寂しくてたまらない。すると広間のカッコウ時計のカッコウが口をきいていろいろな夢の国に連れて行ってくれる。やがて隣の家に子供が一人きて寂しくなくなるとカッコウは口をきかなくなる。1990/01/25