内容説明
「無憂花の樹の下に寄りそう家族が羨ましい気がするの」―家庭崩壊の危機を予感しながら若い母親はジョン・レノンの死んだ夜、20歳の若者と街を彷徨いながら呟く。都市の波間を漂う現代の家族を失われた青春から照射する「樹下の家族」、奄美に伝わる俗謡にエッセイを付した「島唄」ほか2篇収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kankoto
5
懐かしい作家で昔よく読んだ。文学というものを身近に感じるきっかけになった作家かも知れない。久しぶりに読んでみようと思い「樹下の家族」を今はなき福武文庫を古書で購入。 「樹下の家族」崩壊直前の家庭、夫との距離、この頃の時代のひとりの女性の生き方が色濃く描かれている印象。自分が体験したわけではないけれどその頃の東京の都市の匂いが漂ってくる。セリフが古い印象。 「真ん中迷子」時代は遡って作者が子供だったであろう時代の東京郊外での一人の少女、そして取り巻く近所の人たちの姿。昔の明らかにあった闇のような部分。2022/11/30




