単身者たち

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単身者たち

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  • サイズ B6判/ページ数 249p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784828822921
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

傷を負った中年の男女の出会いと不即不離の関係を通して現代の生の特異な在り様を描く、第100回芥川賞候補作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

91
表題作の【単身者たち】は、昨秋復刻された『多田尋子小説集・体温』で2度読了したので、感想は割愛します。私は、女の気丈夫さを紡いだ【白い部屋】が面白かった。結婚して24年、8年前に夫を亡くしてから〈自由〉を大切にして生きる主人公・量子にひしひしと迫る女の強さを感じた。【夫婦】【卒業展】の2編もなかなか味わいのある小説だった。多田さんの小説は、感動も共感もじんわりと胸に沁みてくるのが堪らなく好きである。2021/05/14

竹園和明

45
心の拠り所でもあり自分を縛る枷でもあった唯一の身内・母を亡くし、独りになった計子は40過ぎ。ある日商店街の古道具屋にふらりと立ち寄る。埃を被ったショーケース。商売っ気がまるでない店主原口に自分と似た匂いを感じ、募集していた店員に採用される。原口の別れた妻あや子が時々店に来るようになり、計子は自分の心の乱れに気付く。…朴訥とした原口の佇まいと、己の人生に希望も持たない地味な計子。相手を失いたくない気持ちと近寄られすぎたくもない気持ちが同居し、行きつ戻りつする感情の波を巧みに描く。第100回芥川賞最終候補作。2023/05/25

くさてる

20
選集が面白かったので、単行本を読んでみることに。芥川賞候補になった「白い部屋」が収録されていたけれど、良かった。大きな事件が起きるわけではないけれど、人間の心の移り変わりの奇妙さとささやかな哀しみがある。芸者の置き屋に下宿した美大生と芸者の間に生まれた女性同士の心の交流を描いた「卒業展」もいい。憎しみも恋愛もない、ただひととひとが交わる感じ、穏やかで、でもすこし哀しい。2020/12/24

タカラ~ム

16
「多田尋子作品を読む」という勝手企画進行中。第4弾は「単身者たち」を読んだ。芥川賞候補にもなった表題作とこちらも芥川賞候補になった「白い部屋」、「夫婦」「卒業展」が収録されている。収録作品に明確な共通項があるわけではないが、ひとりであること、孤独であることがテーマになっていると感じた。2019/11/23

バーベナ

3
30年以上前の本ですが、とても面白い。昭和の風景、風俗のなかで生きる彼女たち。心象が細やかで、時代はちがえども共感できる。表題作が一番好き。古道具屋の店番をしながら暮らしてみたい。2022/02/24

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