内容説明
名女形・中村芝翫が初めて語る芸のこと家族のこと…人生の感動的なドラマ。
目次
第1章 仙石山の家(神谷町物語;石川五右衛門の釜;母;結婚 ほか)
第2章 三人の父(祖父と父;初舞台;父の記憶;父の死 ほか)
第3章 若さに贈る(刺身とステーキ;娘たち;勘九郎が家に来た日;ご近所迷惑 ほか)
第4章 こぼれ話(葉山の別荘;強制疎開;電話の話;祖父と相撲 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rinrinkimkim
2
神谷町!の大向こうが懐かしく思い出されました。このご自宅は金田中さんから譲り受けた土地だったんですね。お嬢様の好江さんと18勘三郎の結婚話も興味深かったし橋之助さんのお部屋(御簾とか下げる)の話も面白かったけど、やはりなんといっても六代目とのお稽古が一番でした。二人っきりの口伝のお稽古、この次の世代にもつながってほしい。芝翫学校と呼ばれたのは六代目の芸を伝えたかったのであろうと思った2015/09/05
とと
1
芝翫さんのお人柄が伝わるような本でした。中村屋三代記とかと少し内容が被る。同じ出来事を両サイドから見れて面白い。2011/10/18
まめはち
0
お子さんのことを客観的に分析されていること、何かに例えて表現されることがお上手で、楽しく拝読しました。特に。負けず嫌いで活発な次女好江さんに関わる件が楽しい。勘太郎、七之助をリモコンのように動かしているとか。娘婿勘三郎は今では娘の色に染まってかわいそうとか。勘三郎が「走り過ぎ」て芸が大味になることを案じる鋭い指摘。若い役者が下積みをせずにいきなり大きな役がつく事も危惧され、人の三倍努力する事、たいした役がつかない時にこそ人の芸を見て勉強することの大切さは、何にでも当てはまる大切なこと。身に沁みました。2019/09/13