内容説明
私生子としての出自、夫・加藤道夫(劇作家)の縊死、向田邦子との交流、文学座時代など…。女優として女としてのこれまでを、演出家・久世光彦とのたおやかな時間が描き出す。
目次
第1章 孤りにはなれているわ
第2章 私を残していった人たち
第3章 恭々しき女優
第4章 向田邦子さんの遺してくれたもの
第5章 昔のこと今のこと
第6章 文学座で教わったこと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
niki
3
向田邦子のドラマのイメージが強すぎて「面倒な女」というイメージしかなかった女優さん。「いいですよ。何でも聞いて下さい」とさらっと言い、夫や姉が自殺した話とその時の心情を、誇張するでもなく淡々と答え、わからないことは「わかりません」と何度でも言う。不思議な女優さん。さらさらしていて、こだわりがない。 若い頃のエピソードはそのまま映画のよう。芥川比呂志って素敵な人だったんだな。「芥川さんは加藤さんのこと好きだったんじゃないですか?」としつこく何度も聞いてくる久世光彦よ。うるさいぞ。2024/08/01