内容説明
かあさんにたのまれてお使いにでかけたぼくは、裏通りで2人のあらくれ男につかまってしまった。つれていかれたのは恐ろしいどれい船の上だった。これからアフリカにどれいを買いに行くのだという。男たちはぼくに、おまえには特別な仕事がある、というのだが…。19世紀の海を舞台に、13歳の少年が目にした悲惨な現実を、深い人間洞察をまじえて描く波瀾にとんだ物語。アメリカ・ニューベリー賞受賞作!小学校高学年から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
55
イギリスが奴隷貿易を禁止し、アメリカも表向きは禁止するようになっていた頃、奴隷密売船の船員に拐われた少年に課せられたおぞましい仕事。奴隷船の劣悪な環境。船長たちの非道ぶり。奴隷として船に閉じ込められたアフリカ人たちの悲惨さ。アフリカ人がどうやってアメリカにまで連れて来られるのかということはあまり知らなかったが、ここまで酷いものだったとは。また、奴隷貿易末期の複雑な事情にも驚かされた。2023/06/18
NAO
36
イギリスが奴隷貿易を禁止し、アメリカも表向きは禁止するようになっていた頃、奴隷密売船の船員に拐われた少年に課せられたおぞましい仕事。奴隷船の劣悪な環境。船長たちの非道ぶり。奴隷として船に閉じ込められたアフリカ人たちの悲惨さ。アフリカ人がどうやってアメリカにまで連れて来られるのかということはあまり知らなかったが、ここまで酷いものだったとは。また、奴隷貿易末期の複雑な事情にも驚かされた。2023/06/18
ジュースの素
3
ニューオーリンズの港から ふとした理由で船に乗せられてしまったジェシ、13歳。それは奴隷売買を闇で行う船だった。貪欲な船長や荒くれの船員は容赦なく、ジェシにも役割を言いつけ、厳しい船内生活を強いられる。 地下の穴倉の樽の間に詰めるだけ黒人を詰め、病気になれば伝染を恐れ 海に放り投げる。過去に実際に白人たちはこんな過酷な方法で奴隷の取引を行ったわけだ。禁止になってもなお、密売組織がいて暗躍していた事が解る。2015/11/18
鳴蝉
1
読んだあと胸の奥をちりちりさせる余韻が残りました。
MIO
0
アフリカから奴隷を連ぶ船に、笛吹として乗せられてしまった南部の13歳の少年ジェシ。南北戦争前のアメリカ。奴隷船とはどういうものか、どんな人間乗っていたのだろうか。船は難破して主人公は家族の元に帰ることができた。しかし大人になって南北戦争で北部軍として戦い、その後も自分が笛を吹いて奴隷を動かしていた記憶が消えず、生涯どんな音楽にも耳を傾けることができなかった。 奴隷船そのものの話は初めて読んだ。表現がかなりはっきりしているので中学生以上か。人間が同じ人間にどのようにしてきたのかがリアルに伝わってくる。2020/05/06
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