内容説明
家族を失い、父祖の地を追われ、天涯孤独となったアマナが、友だちをみつけたのは、28歳の冬のことだった。やがて新たな愛も得て、アマナは娘ジェマイナを生む。だが白人の恋人は去り、豊かな大地をもたない娘は、白人の世界で迷ってしまう―。草がうたっていた草原や誇り高い人々が次々滅んでいく中で、アマナは生き抜き、自分はだれなのかと問い続ける。インディアンの女性アマナの数奇な生涯を描く〈幻の馬〉物語感動の第2巻。中学生から。
感想・レビュー
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ムーミン2号
6
この物語は、インディアンのアマナが特別な力を授けられ、一族を幸福に導くとかいうようなファンタジーではなかった。19世紀終盤から20世紀にかけて、インディアンの地に白人が踏み込み、否応なく失われていくインディアン文化と、その現実に抗いきれずに生きていかざるをえないアマナたちインディアンが描かれている。アマナの子はアメリカ文化に憧れ、そして孫の内一人はそれと同じだった。だがもう一人、シトコという男の子はインディアン文化を進んで受け入れている。次の巻ではそれがどう展開するのだろうか。2019/11/22