出版社内容情報
フランドル絵画から西洋近代への道筋が見える
15世紀から16世紀にかけて隆盛となった北方ルネサンスは、イタリアにおけるルネサンスの北方版と見られることが多い。しかし、じつは北方ルネサンスの中心となったフランドル絵画こそが、イタリア・ルネサンスの起爆剤として大きな影響を与えていたのである。それはヨーロッパがキリスト教中世から抜け出そうとする動きと一体となった運動でもあった。
西洋近代とは、キリスト教中世のカトリック支配から離脱する動きと言っていい。その痕跡がじつは優れた芸術作品のなかに反映されている。本書では、主にブルゴーニュ公国でフィリップ善良公に使えたヤン・ファン・アイク、奇想の画家であったヒエロニムス・ボス、そして農民画家と呼ばれた(実際には農民画家などでは決してない)ピーテル・ブリューゲルを中心に論じる。
それぞれ時代が異なり、同時代を生きたわけでもない3人の巨匠たちが、その作品を通してつながり、その批判精神を絵画作品として継承してきたことの意味を探究し、ヨーロッパが西洋近代を生み出していくその精神の動きを明らかにしていく。
北方ルネサンスこそがイタリア・ルネサンスの起爆剤だった。フランドルの偉大な3人の画家の作品から西洋近代を読み解く異色評論。
【目次】
まえがき ――芸術は「美」である以上に「真実」
第1章 フランドル絵画がイタリア・ルネサンスの起爆剤となった
第2章 ヤン・ファン・エイクがキリスト教に背を向けた
第3章 謎の絵画ボスの奇想という毒の正体
第4章 ブリューゲルは農民作家などではない
第5章 なぜネーデルラントから近代が始まるのか
あとがき
解説文(副島隆彦)
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