内容説明
負けなしの論争家で知られる福田恆存の生涯は逆境続きだった。戦時下は職を転々とし、戦後は平和論論争で論壇から「村八分」にされた。国語問題の敗北、劇団の分裂騒動、晩年は脳梗塞を患いながら、それでも「生来のオプティミズム」を手放さなかったあの強靱な精神はどこから生まれたのか。なぜかくも人を愛せたのか。その秘密がみえてくる。
目次
全集覚書
評論集後書(芸術とはなにか;人間・この劇的なるもの;作家論;日本および日本人;一度は考へておくべき事;平和の理念;言葉とはなにか)
著者等紹介
福田恆存[フクダツネアリ]
1912年、東京生まれ。36年、東京帝国大学文学部英文科卒業後、本格的な文筆活動に入り、保守主義の論客として、また演劇、翻訳など多岐にわたり活躍。演劇人としては、63年、現代演劇協会を設立し、劇団雲および欅(のちに統合して劇団昴)を主宰。主な戯曲に『キティ颱風』『総統いまだ死せず』など。53年に『龍を撫でた男』で読売文学賞、55年、『シェイクスピア全集』の訳業で岸田演劇賞、56年、『ハムレット』の新訳新演出で芸術選奨文部大臣賞、71年、『総統いまだ死せず』で日本文学大賞。94年、82歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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