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目次
見た目にこだわるこころのゆがみ
症例からみる醜形恐怖
うつ病・強迫性障害との関わり
摂食障害と醜形恐怖
醜形恐怖になりやすい性格・条件
美醜とは何か
対談 かづきれいこ×町沢静夫
著者等紹介
町沢静夫[マチザワシズオ]
精神科医・医学博士。1945年新潟県糸魚川市生まれ。1968年東京大学文学部心理学科卒業。1976年横浜市立大学医学部卒業。東京大学付属病院分院神経科勤務。1986年国立精神・神経センター精神保健研究所室長。1998年立教大学コミュニティ福祉学部教授。2004年町沢メンタルクリニック開業。町沢メンタルクリニック院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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akiᵕ̈
53
見た目にこだわる心のゆがみ、醜形恐怖(身体醜形障害)という病。側からみたらそこまで思う必要ないのに、と思う事でも本人にとっては大問題で何を言っても通じなく対人恐怖症もあり、うつ病を併発している率も高いという。そんな周りとの距離感がつかめず自分の思い通りに行かないことを、自身の顔や身体へと問題を置き換えてしまうことのようですが、心の内側にどんな問題を抱えているのか、その根底にあるものの見極めが重要なんだと思います。数々の症例がこの病を浮き彫りにしていて、摂食障害や強迫性障害などとの関連も興味深かったです。2021/03/19
ぽけっとももんが
8
図書館新着本。醜形恐怖という言葉は知っていたけれども、なるほどこれは現代ならではの病だ。テレビを見れば美しい人ばかり出ているし、完璧を目指す人には生きにくい世の中なのかもしれない。それで悩んで家から出られなくなり、親が相談に来るケースも多いという。先日読んだ「私はすでに死んでいる」の身体同一性障害のようなものかと思っていたけれども、ちょっと違うようだ。「美人ははったりよ」と言ったのは佐々木倫子氏の初期の作品の登場人物だったけれども、そう思っているほうが、完璧な美貌を追い求めるより楽しい、と思う。2018/07/20
PukaPuka
4
ケースがいろいろ載っているし、臨床場面のやりとりもあるので、面白い。最後のリハビリメイクの対談もよい。醜形恐怖は顔の静止画像にこだわりが強い、というのが一番納得したところ。そこがこの症状を選択する核心に思える。OCDやOPDとの近縁だが、本来動態的な事柄を静態的に切り取り拘泥する、という点で、共通の病理なのではないか。顔は表情の動きのあるものだし、他人の顔を見るときはまじまじとパーツを見るのでなく、全体の印象や表情で見るよね。2020/10/08
You
4
私は自分の顔が美しいとは思わないが、マスクをすると正面から見る限りはそこそこ見られるかもと思う。外すと残念感があり、会う人に嫌悪感とまではいかずともガッカリ感は与えているのではないかと思う。基本的に「皆私のこと嫌いだろう」というのを基盤に生きている。が、自分の顔が嫌いかというとそうでもなく、ただし好きかというとそうでもない。顔は顔としてここにあるものである。幼少時に強がらずに歯の矯正をしておけばよかったとは思うが、運命論的また自然主義的な思想がややあるので整形をしたいとは一切思わない。→続く2019/09/29
乱読家 護る会支持!
4
タイトルが気になって図書館で借りたら、「醜形恐怖」の本でした。 顔やスタイルだけかと思ったら、「ペニスが小さい」という恐怖から、トイレに行けなくなった事例も。 町田さんの本は、大概同じ構成ですな。本当にそのこだわりや異常行動で困っている方には救いになるのかもしれないけど、「あの人は○○○病じゃないかしら」「私は○○○病じゃないやろか」と、私を含めて病名をつけたがる人が喜ぶだけのような気がします。 人は、課題・問題に対して「原因」を規定しないと安心しない脳の特性があるので、仕方がないのだけど、、、2018/12/20