内容説明
角栄を死に待ちさせたロッキード裁判は司法の自殺である!角栄氏との対談掲載!
目次
第1章 対談・田中角栄元首相『1982年を睨む』
第2章 異説田中角栄
第3章 角栄を無罪にせよ―私の真意
第4章 角栄選挙解剖―日本の選挙風土に「汚職」は無関係
第5章 「世論」と裁判
第6章 緊急提言・田中角栄待望論
第7章 さらば!田中角栄―天才政治家が戦後日本政治に残した功罪
第8章 角栄学序説―田中角栄引退後の「日本政治」を憂う
第9章 田中角栄以前、以後
著者等紹介
小室直樹[コムロナオキ]
1932年東京生まれ。京都大学理学部数学科卒業。大阪大学大学院経済学研究科、東京大学大学院法学政治学研究科修了(東京大学法学博士)。この間、フルブライト留学生として、ミシガン大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学大学院で研究生活を送る。2010年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ビリケン
1
日本の官僚というのは、東京大学を筆頭に一流大学出身で国家公務員試験を合格して入る共同体である。そしてこの官僚組織はものすごく強い。田中角栄の凄い所はこの官僚組織の共同体に土足で入り込み征服したからである。まさに天才的な政治家である。戦後は田中角栄が作ったと著者は言っているが、私自身もすごく興味を持ったのでどんどん田中角栄を調べていきたい。2020/04/14
MIRACLE
0
筆者の田中角栄関連の雑誌記事(本人との対談含む)を収録した本。筆者は、角栄の本質を官僚政治家であると指摘する。「第二章 異説田中角栄」は、本格的な論文。「(日本では)正常な産業が同時に犯罪産業であり、善良な市民が同時に犯罪人を兼任しなければならない点に、日本の構造的汚職の、気の遠くなるような深刻さがある。それは、一人ひとりの心がけの問題で解決されるようなことではなく、日本社会構造の奥深いところからにじみ出てくる現象なのである」。80頁の「糸」は「系」、169頁の「保護貿易主義図」は「国」の誤植。2017/05/21