「平和」という病―一国平和主義・集団的自衛権・憲法解釈の嘘を暴く

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784828417721
  • NDC分類 393
  • Cコード C0095

内容説明

解釈改憲、集団的自衛権の大嘘を一次資料から暴き、米国との外交折衝、国内政争に翻弄された歴代政権による憲法解釈の紆余曲折の戦後史を初めて検証した名著復刊!「戦争のない世界」を前提に作られた防衛政策の見直しに着手せよ!

目次

第1部 日本に“防衛政策”のあった時代―吉田茂から池田勇人まで(治安軍から国防軍へ;再軍備が前提の経済重視―吉田内閣末期;憲法解釈大転換の時代―鳩山内閣;米軍駐留永続化と安保改定―岸内閣;「国軍」としての自衛隊―池田内閣)
第2部 「一国平和主義」の定着―佐藤栄作から冷戦終結以後(「平和主義」化する憲法解釈―佐藤内閣前期;ニクソン政権の“自衛隊骨抜き”政策;「平和主義」の正体;戦後「平和主義」を盲信する時代―冷戦後期以後)

著者等紹介

樋口恒晴[ヒグチツネハル]
昭和39(1964)年東京都生まれ。筑波大学博士課程社会科学研究科単位取得退学。常磐大学国際学部専任講師を経て同学部教授。該博な知識と緻密な分析力で国際関係論という巨視的な視点から外交・軍事・防衛や国内政治を多角的に論じる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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南北

40
戦後日本の防衛政策史を概観した本。250ページほどに圧縮されているせいか読みにくいところはあるが、「一国平和主義」が佐藤内閣で内閣法制局長官だった高辻正己が憲法解釈を変更しながら憲法解釈を変更していないと虚偽宣伝をしたことから生じたものだということがわかる。米国はそのときの政権によって「制海権戦略」だったり「勢力均衡戦略」だったりして、日本への防衛費増額要求は変化しているものの、財務省は防衛費を削減することしか考えていない。「平和主義を守ってきたから平和が続いた」のは単なる幻想であることを教えてくれる本。2020/12/11

軍縮地球市民shinshin

9
戦後防衛政策史の研究書。原版は1993年に出ており、本書はその増補改訂版。非常に重要な点を実証しており、今後の防衛政策論では必読文献になることは間違いない。①吉田内閣は再軍備を前提とした経済重視政策を採っていたが、後の内閣が再軍備を達成できなかった。②池田内閣で集団的自衛権は限定的に容認することを国会で林内閣法制局長官が答弁していた(もっとも国際慣習法では日本国土を米軍基地に供与しているのは集団的自衛権行使である)。③今日の「一国平和主義」政策を取ったのは佐藤内閣以降である。(つづく)2014/12/31

日の光と暁の藍

7
戦後日本がどのような防衛政策を採ってきたかを綴った防衛政策史の本。内容に実に驚かされた。米軍撤退を目指すも現実的に不可能で先延ばしに。集団的自衛権は岸政権時には合憲だった。再軍備を目指す過程で経済成長を享受していたのに、いつの間にか再軍備という目標が消え去ってしまった。岸内閣までの政権は、憲法改正による自衛隊の国軍化を目指した。池田内閣は憲法改正は諦めたが、自衛隊を国軍として社会的に認知されることを目指した。佐藤内閣時代、憲法解釈の改正を明言せずに国際法無視の高辻正己内閣法制局長官の私見が新たな解釈に。2018/08/17

エックスマス

4
戦後の日本の防衛方針、安全保障の考え方の編纂がよく分かります。バンドワゴンは続く2015/02/08

くらーく

2
過去の報道をきちんと拾って、まとめあげる。いい仕事しますね。 ちょっと、読みにくいのは、ところどころに著者の強い思いが入るからでしょう。 今の平和が、決して9条を叫んでいたからだけでは無い事を感じます。 運が良かったのだなあ、日本は。2015/09/04

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