目次
『隷従への道』の読み方
自由主義こそが経済繁栄を生む―第1章 見捨てられた道
「自由」は「民主」を凌駕する―第2章 偉大なるユートピア
「競争」と「規制」の中庸は難しい―第3章 個人主義と集産主義
「統制」と「保護」は発展を阻害する―第4章 計画の「不可避性」
「権力者」は未来を見通せない―第5章 計画と民主主義
「法」の確立が強い経済を生む―第6章 計画と「法の支配」
「お金」の自由こそが幸福の源―第7章 経済統制と全体主義
「私有財産」の肯定が活力をつくる―第8章 誰が、誰を?
保障が特権になる危険―第9章 保障と自由〔ほか〕
著者等紹介
渡部昇一[ワタナベショウイチ]
評論家。上智大学名誉教授。1930年生まれ。1955年上智大学英文科・大学院西洋文化研究科修士課程修了。ドイツのミュンスター大学、イギリスのオックスフォード大学に留学。ミュンスター大学哲学博士(1958年)、同大学名誉哲学博士(1994年)。歴史、文明、社会など幅広い分野において、深い学識に裏打ちされた鋭い評論を展開し続けている。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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めっかち
4
F・ハイエク『隷従への道』、いずれ読まねばと思いつつ、読めてないので、とりあえず渡部昇一先生の概説書を手に取る。講義の文字起こしだから読みやすい。なぜ「自由」が重要なのか、「全体主義」ではいけないのかが、しっかりと哲学的に論じられている。渡部先生といえば保守論客の大立者だが、本書では戦時下の統制に関し、自身の経験も踏まえて批判的に論じられている。「共産主義者をナチスに転向させるのは容易」(六六頁)とか「マルクス主義者は診断はいいが処方箋を必ず間違える」(二六六頁)とか面白かった。やはりハイエクは読もう!2024/02/11
しょうたろう
2
簡単には書いてるがちょっと難しかった。2012/06/10
snow
1
社会主義を声高に叫ぶと、自由がなくなる。共産主義は嫌だが、社会主義はいいという人がいる。しかし一律平等というのはありえない。人はそれぞれ生まれ持った能力が違う。その多様性を認める寛容さが大切。多様性があるからこそ、創造が生まれ、文明が発展していく。だから自由が大事。しかし国家が経済を計画し統制しだしたら、自由が失われていく。そしてそれは文明の終焉である。2021/12/08
ボビーN
1
ハイエクの、ことをよく知らなかったので、大変参考になった。立法と法が異なること、民主主義と自由主義の違い等、なるほど、と思うことが多い。基本的ち「隷属への道」に基づくないようで、原文からの抜粋があったのが、より参考になってよかった。2014/12/23
小村壽太郎
1
高校生でも読める自由主義の入門書。まあ前書きの「岩波=ケンブリッジ 世界人名辞典」へのツッコミはそこではない気もするが(笑)