出版社内容情報
近年の猛暑で「夏バテ」の症状を訴える患者さんがとても増えている。夏バテだけではなく、老若男女、季節や場所を問わず多くの〝バテ〟が私たちに襲いかかっている。
バテのタイプはさまざまで、夏バテ、残暑バテ、秋バテなどのいわゆる「季節バテ」、アルコールの飲み過ぎで起こる「アルコールバテ」(二日酔い)、時差をともなう長距離の移動で起こる「移動バテ」(時差ぼけ)などが知られている。さらに、スマホバテ、付き合いバテ、休みバテと、誰もがいずれかは経験したことがあるものだ。
あらゆるものが手に入り、便利なグッズであふれている現代社会においても、私たちは一年中、バテてしまうという漠然とした不安を抱いている。あなたの体調不良、誰かに相談しても、病院に行っても、「気のせいでは」「加齢によるものかな」などと言われていないだろうか?
それは、気のせいや加齢によるものでなく、バテかもしれない! バテはしかしどれも医学的な病名ではない。原因もはっきりしないがゆえに「気のせい」「疲れ」「歳をとったから」と放置されている場合が多い。 しかし、症状があるのにこれを放置してはいけない。バテが原因で、食欲が落ちて栄養不良になったり、カラダを動かさなくなって筋肉量が減少したり、免疫力まで低下したりすることもある。たかがバテ、されどバテ。体調不良が続くけれど、みんな気のせい、歳のせいだとか言うが確かに調子が悪い。病院に行っても、異常ありません! しまいには、なんだかよくわからないが「自律神経失調症」「不安神経症」と診断される……。
バテという病態は確かに存在する。その証拠に、多くの人々が一年を通してバテに悩んで、医師の診察を受けている。秋から冬にかけて、精神的に落ち込むヒトがたくさんいることもわかっている。その原因と対策も明らかにされているので、そのまま、気のせいとして、放置しておいてはいけない。
特に最近は、マスコミでも盛んに報道されているように、地球の沸騰化にともない、「季節バテ」が増えている。そもそも日本は四季折々の情緒あふれる国であるが、地球沸騰化の影響で四季がなくなり、二季(夏と冬のみ)になりそうな勢いである。その影響で、確実に季節バテに悩んでいる一定のバテ難民がいるのだ。
一度しかない人生をバテで悩むなんてもったいない。バテを放置していたら病気に? バテを予防する手段は? 本書は、自分だけで悩んでいないで、バテに対して医学的アプローチをして、自分で「バテを克服してしまおうじゃないか!」というコンセプトの本である。
本書は、現代社会に見られる代表的なバテを例に(10パターン)、バテの機序を明らかにして、とっておきの処方箋を読者の皆様に提供している。本書を読み終えたあとには、バテの正体を知り、皆さんの体調不良が気のせいではなく、カラダが悲鳴を上げていたこと、その解決策はやっぱり医学的根拠のある処方によるべきであることを知るであろう。
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