目次
幸福に関する名言
幸福は人生の目的か
両面の鏡 内から外から
見せかけの友
幸福は可能か
苦しみの錬金術
エゴのベール
自分の考えが一番の敵になるとき
感情の川
厄介な感情とその治療法〔ほか〕
著者等紹介
リカール,マチウ[リカール,マチウ][Ricard,Matthieu]
1946年フランス生まれ。チベット仏教僧。パストゥール研究所のノーベル医学賞受賞者フランソワ・ジャコブ教授の指導の下、分子生物学の国家博士号を取得後、チベット語を学び、仏教修行の道に入る。チベット仏教の文献を欧米に翻訳・紹介、ダライ・ラマ14世のフランス語通訳も務める。フランスにおいて細胞遺伝子の分野で将来を嘱望された研究者の経歴を放棄し、ヒマラヤ山間で仏教僧として35年間修行に専心。現在は著述家、翻訳家、写真家としても活躍するほか、瞑想の脳に及ぼす効果に関して展開中の科学研究にも参加。チベットとネパールを生活の拠点として人道的プロジェクトに従事
竹中ブラウン厚子[タケナカブラウンアツコ]
1941年生まれ。上智大学外国語学部英語科卒。1990年に渡英、英国翻訳通訳家協会(ITI)に所属し主に日本の本の英訳に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ほじゅどー
15
★★★人は誰でも幸せになりたいと願う。だが、幸せになるには、まず幸福が何なのかを理解する必要がある(ジャン・ジャック・ルソー)。彼女は太陽と同じくらい雨を愛した。自分を元気づけて目を楽しませてくれる綺麗な色をした心温まる花さえあれば、それが彼女のささやかな思いだった(アラン)。夏の酷暑に辟易し、秋の満月を待ち望む人は、自分の人生の貴重な百日が永遠に過ぎ去ることに考えが及ばない人である(釈迦)。いい人生とは、自分が専門とすることへの完全なる没頭を特徴とする(ジャンヌ・ナカムラとミハリ・チクセントミハイ)。2016/11/17
澄
12
【立読】日経サイエンス1月号の特集「瞑想」の元ネタ本。幸福とはなにかをひとつひとつ説いていく。瞑想をすることでこころを強くする。そういえば瞑想をすることで脳細胞も増えることが判明しているそうだ。瞑想の方法で増える箇所も変わるとか。次回購入して再読する。2014/12/21
オ・パッキャ・マラ夫
9
相互依存性、慈悲心、利他的精神についてのことが何度となく書いてありました。あらゆる現象、あらゆる人間は互いに依存し合っている、という相互依存の関係を考えれば、あらゆることを善悪をつけて分けるものではないことがわかる気がしました。利己的に生きていては本物の幸せはつかめない。永続的な幸せを得るために利他的に生きることは結局は近道なのだと感じさせてくれました。2024/06/29
芸術家くーまん843
8
フランス人ながら35年間チベット仏教僧として修業をしてきた著者、幸福とはなんなのか?子どものような欲望のままに欲していればそれは欲望の虜になっている。これは自分を幸せにするのかどうか?問いかけることが大事。幸せとは心の状態。心とは欲望とエゴ、それを否定ではなくうまくコントロールして自分の幸せのために整理する。幸福を探求しながらチベットにとって中国の侵略が決定的であった、チベット仏教という素晴らしい宗教があっても軍事力にはかなわない。幸せとは考える一冊。2014/04/29
toshibo
1
あらゆる人間は互いに依存し合っている、という相互依存の関係がある結果、自分の幸福は他者の幸福と密接に繋がってくるという。だから人は利他的であるべきなのだ。そしてその利他的な愛と慈悲心は、年月をかけて磨かれる技術であることが立証されているのだそうだ。素晴らしい。ぜひ買って読むべし!2016/07/19