角川SSC新書
「貸せない」金融―個人を追い込む金融行政

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  • サイズ 新書判/ページ数 169p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784827550702
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C0295

内容説明

「お金を借りられない」社会が、いかに経済を停滞させるか。今まさに日本に起きている現象を検証する。ここ数年、消費者金融では10人に6~7人が融資を断わられ、事業の世界では中小企業の資金繰り倒産が続いている。また、身近なものではカードでのキャッシングが下りないケースもある。これらに共通するのはノンバンク経由のお金ということだ。実はノンバンクは「貸さない」ではなく「貸せない」。06年末に成立した「改正貸金業法」等により機能不全に陥っているのだ。お金が回らない経済は縮小せざるをえない。日本経済が抱える「もうひとつ」の不況の構造を解説する。

目次

第1章 お金が借りられない世の中―個人消費の減退危機(お金を借りられない世の中;倒産、衰退する消費者金融 ほか)
第2章 最後の貸手の崩壊―中小零細企業の苦境(増える中小零細企業の倒産;崩壊の危機に立つ事業者金融 ほか)
第3章 伝統的「分割払い」の終焉―もうひとつの法改正への懸念(信販会社とは;割賦の三つの形態 ほか)
第4章 日本国内発の不況要因―世界同時恐慌とは別の理由(狂った歯車;マンション不況 ほか)

著者等紹介

小林幹男[コバヤシミキオ]
1961年、長野県生まれ。立教大学経済学部卒業。大手リース会社を経て、ABN AMRO Bank(オランダ銀行東京支店)入社。その後、エービーエヌ・アムロ証券、リーマン・ブラザーズ証券、モルガン・スタンレー証券にて要職を歴任。14年以上にわたる外資系金融機関在籍中に、シンジケートローン、証券化などの手法を用いて、数多くの企業の資金調達をアレンジした。現在は、金融コンサルタントとして活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

氷柱

6
243作目。9月22日から。日本の不況はガラパゴス的であるということを示した作品。世界恐慌が日本に及ぼした影響はほとんどなく、国内制度の改革が裏目に出たことを示唆している。また金持ち父さんでも出てきた投資についての話題がこの作品でも触れられていた。借金をタブー視するべきではないという部分には、はっきりとした抵抗がある。理論的には投資目的の借金は効果的なのだろうけど、ギャンブルであることは否めないし、今まで散々否定されてきたことだからそう簡単にはポジティブな気にはなれない。2016/09/23

井上岳一

0
元リーマンブラザーズで今は金融コンサルタントをしている著者の、改正貸金業法に対する批判本。もっと怪しい内容かと思ったけれど、かなり面白かった。やはり現場でお金を転がしていた人の言うことには、学者や官僚にはない説得力がある。「正しく美しいだけでは経済は発展しないし、本当の意味で社会が成熟していくことはできないのではないだろうか」と言うが、本当にその通りだと思う。リーマンショック後の日本の不況はリーマンのせいでも何でもなく、「世界経済などまったく関係のない地に足のついた内需型経済」が三つの悪法の影響で収縮して2012/08/18

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