内容説明
「世紀末」が独得の意味合いで使われだし、明治維新を迎えたわが国にとっても重要な19世紀末―そんな危機的状況の時期に生きた先人たち、現実を直視し、コミュニケートし、打開を志し、あるいは途半ばでたおれた先人たちの生きざまに、法思想の側から光をあてる。
目次
第1章 思想の交流
第2章 馬場辰猪と西洋
第3章 馬場と小野梓
第4章 法思想の脈絡
第5章 フランシス・リーバーと法解釈学の思想
第6章 江本衷とリーバー
第7章 人間の生きることと法思想―変わらない法思想なんてあるだろうか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
3
かなり噛み砕いた法思想の入門「いくら立派な立法者でも完全な法典をつくることはできない。そもそもそれに使われる人間のことば自体、不完全でアイマイであることが多い上に、人間関係をめぐる事態は時の経過とともに、移り変わる。これをすべてカヴァーする法典、立法は期待しても無理である」「私は以前…日本人の法思想が、明治以降を考えた場合、多少とも表層では西洋近代法のホリゾントを望みつつ、低層では古い伝統的観念になお縛られていると書いた」明治の失敗か、デモクラシーの訳語から主義主張の訳語まで殆ど失敗・誤釈のような気もする2015/07/17
check mate
1
絶妙に砕けた独特な文体で、馬場辰猪・小野梓・リーバー・江木衷らの法思想を紹介。2016/04/22
meirokun
0
中間試験の資料として。2011/11/02