内容説明
国替を制度として構想したのは信長である。秀吉は、天下統一戦を通じて戦国大名に国替を強制し、本領を収公して太閤検地を執行した。家康以降の政権担当者《天下人》たちは、石高制にもとづく国替を繰り返しながら、諸大名を国家的官僚たる藩主へと変貌させた。
目次
第一章 織田政権の国替(兵粮米と鉄炮・火薬・玉を預ける;領地・領民・城郭を預ける)
第二章 豊臣政権の国替(石高と近世領知制;占領型国替;在京体制と国家的官僚制;法治主義の浸透;関ヶ原の戦い直後の国替)
第三章 徳川政権の国替(改易型国替;元和・寛永年間の国替;近世領知制の確立)
第四章 国替と近世領知制(国替の作法;人事異動型国替;藩士の屋敷と財産)
著者等紹介
藤田達生[フジタタツオ]
1958年愛媛県に生まれる。2024年~現在、三重大学名誉教授・同教育学部特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんい
9
図書館新着コーナーでたまたま手に取った本。新書も出されている研究者の方の学術的(おそらく)な本なので、通説とは違う説で書かれていますが、新鮮で面白い!本書は大名の国替は江戸時代から本格的になったが、すでに織豊政権の時から行われていた、という立場です。目的は大名(武家)が支配する土地の領民ぎ武家に属していたのを、天下人からの委託に切り替えるため。確かに、国替では武家の家臣団は根こそぎ移動するものの、領民は次の領地へは移動しませんでした(禁止されていた)。現代の人事異動と同じですね。2025/12/10




