内容説明
大嘗祭・新嘗祭で披露された五節舞姫・童女の実像から平安宮廷内の儀式に潜む神事から娯楽への変遷や身分・ジェンダーといった問題を浮き彫りにする。さらに遊女=聖なる存在とした網野善彦氏らを批判する。
目次
序章 紫式部・清少納言が見た舞姫
第1章 奈良・平安初期の五節舞―五節舞の成立と変容(五節舞の成立と特質;九世紀の五節舞と五節舞姫)
第2章 五節舞姫献上者と舞姫(献上者規定の変遷;実際の舞姫献上者;舞姫献上者の経営)
第3章 五節舞姫(五節舞姫の実像;五節舞師;舞姫同行者・援助者~傳・童女・下仕等)
第4章 新嘗祭と五節舞姫(参入儀;帳台試;淵酔;御前試;童女御覧;豊明節会)
終章 五節舞姫の歴史的変容と課題
著者等紹介
服藤早苗[フクトウサナエ]
1947年、愛媛県生まれ。お茶の水女子大学大学院修士課程修了、東京都立大学大学院博士課程修了、文学博士、埼玉学園大学教授を経て、埼玉学園大学特任教授。日本史、女性史、家族史、ジェンダー分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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眉毛ごもら
2
大河で紫式部が五節の舞姫やるとかいうトンチキムーブかまされて購入。巻末に献上者と舞姫の素性がわかる表掲載有。紫式部と思われるのは無し。それはそう。最初は神事でだんだん遊興的になっていったのはお祭りにはあるある。入内の目も無くなってきたので公卿が実娘を出さずに美人を借りてきてたのとか。練習少なくてマスターできたとかどんな舞だったんでしょうね。童女御覧がほんとに見るだけでブサイクだと笑われたとか中々のアレなイベントらしくおぉうとなった。公卿の乱舞の方が楽しすぎて舞姫おざなりになってきてたのは本末転倒で笑った。2023/09/02
ゆの字
1
もう少しでいいから、一般向けにエンタメ寄りで書いてもらえると、もっと面白く読めたかもしれない。舞姫献上者や、禄・賜物などの一覧表があるのはありがたかったけど、舞姫たちの動線や位置関係がわかるような見取り図も欲しかった。それこそ『承安五節絵』を掲載して、解説しても良かったと思う。舞姫や童女たちよりも、その周辺についての記述に大部分が割かれていたから、少し物足りなかったかな。日ごとに変わる衣装について、詳しく知りたかった。2020/12/27
はちめ
0
五節舞が変容していく過程やその実態が実証してあるのは分かったが、素人には少々まどろっこしかった。この内容を新書本程度に書き直してもらえると助かるのだが。2015/09/20
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