内容説明
洋学に関心をもって、「横文字早まなび」「西洋事情」などの書籍を読み、養蚕業を積極的に導入、自由民権運動にも目を向けた神奈川の山口左七郎。奇兵隊への資金援助などの功績を、河川改修の援助をうけるために、井上馨や山県有朋らに強調、毛利家の歴史編纂にも従事した山口の林勇蔵。地域社会のなかで、明治政府と一般民衆とを結びつけた、二人の中間層(豪農・地方名望家・地域指導者)に着目し、転換期の社会を、上から下まで、国家から一般民衆までを、総体的に把握する。
目次
序章 明治維新をどこから見るか
1 山口左七郎の生きた明治維新(上粕屋村と山口左七郎;金子村時代の左七郎(間宮仁三郎)
明治四~一四年の左七郎
「近代」のもたらす葛藤 ほか)
2 林勇蔵の生きた明治維新(林勇蔵と上中郷;林勇蔵と椹野川治水工事;林勇蔵と野田神社と毛利家歴史編纂;歴史像はいかにつくられたか)
終章 地域指導者たちの明治維新
著者等紹介
渡辺尚志[ワタナベタカシ]
1957年東京都生まれ。1988年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。国文学研究資料館助手をへて、現在、一橋大学大学院社会学研究科教授。博士(文学、東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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