内容説明
怨霊から超怨霊そして神へ。太宰府で息絶えた菅原道真の無念の思いが中世の世界を開く。
目次
第1章 王土思想と神仏習合
第2章 律令国家の変質と文化の転換
第3章 日本院政期文化の歴史的位置
第4章 天神信仰の歴史的位置―藤原克己氏の論文に接して
第5章 天神信仰の歴史的展開
第6章 『道賢上人冥途記』・『日蔵夢記』考
終章 世界の普遍的知性と菅原道真
著者等紹介
河音能平[カワネヨシヤス]
1933年兵庫県生まれ。1957年京都大学文学部史学科卒業。京都大学文学部助手、八代学院大学助教授、大阪市立大学文学部助教授・教授を経て、現在、大阪市立大学名誉教授
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感想・レビュー
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わ!
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天神を研究している高嶋先生が勧める研究者の著書だけあって、めちゃくちゃ面白い内容だった。例えば、菅原道真公と大威徳天の関係…天神は一種の怨霊であり、つまりは御霊信仰であるにもかかわらず、平安時代に始まった祇園御霊会とは少し異なった系統となっているのは何故かと云う疑問。そもそも祇園御霊会は、後には祇園祭となり、牛頭天王を祭神とした八坂神社の祭りとなる。ならば、もともとの祇園御霊会は、何の為に誰の御霊を祭る祭りだったのか…これらの疑問に、一挙に回答を与えてくれる、素晴らしい研究書ではあったのだ!2010/09/28
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