内容説明
“心の平静”を手に入れ、“自分らしく”生きるには?その答えを、古代ローマ人は知っていた。何かを失う不安、失敗への恐れ、人間関係の悩み、他人からの侮辱、死・老い、富や名声に対する欲…。それらネガティブな感情から解放され、喜びあふれる心で生きるためのヒントがここに。
目次
第1部 ストア哲学の勃興(哲学は人生に関心を持つ;最初のストイック ほか)
第2部 ストアの心理テクニック(ネガティブ・ビジュアリゼーション―起こり得る最悪のこととは?;コントロールの二分法―無敵となることについて ほか)
第3部 ストアのアドバイス(義務―人類を愛することについて;社会的関係―他者への対処について ほか)
第4部 現代のためのストア哲学(ストア哲学の衰退;ストア哲学再考 ほか)
著者等紹介
アーヴァイン,ウィリアム・B.[アーヴァイン,ウィリアムB.] [Irvine,William B.]
ミシガン大学で数学と哲学を学んだ後、カリフォルニア大学ロサンジェルス校で哲学の修士号と博士号を取得。オハイオ州デイトンにあるライト州立大学哲学科教授。『欲望について』(竹内和世訳、白揚社)で、アメリカ図書館協会CHOICE誌二〇〇六年度優秀賞受賞
竹内和世[タケウチカズヨ]
神奈川県生まれ。東京外国語大学スペイン科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
17
船が難破したおかげで、私は豊かな航海に出ることになった。2014/10/19
WATA
17
心の平静を得るためにストア哲学者たちが使ったテクニックを紹介する本。悪いことが起きたときのショックをやわらげる方法、他人に対する怒りをコントロールする方法などが書かれている。基本となるのは、どんな状況でもそのなかに喜びを見つけなさい、という考え方。読んでいて「吾唯足るを知る」と書かれた京都龍安寺の鉢のことを思い出した。古代のローマの思想と東洋の思想は、思ったよりも似通っているのかもしれない。2014/01/15
壱萬参仟縁
15
キーワードは、グランド・ゴール(GG)とネガティブ・ビジュアリゼーション(NV)。人生にはGGという遠大な目標が必要で、NVは起こり得る悪い事態を考えること。取り越し苦労になしそうな、真面目な人、A型の人にはNVをおススメはできない。楽観的過ぎる人にはおススメの発想である。ストア派が、「今日が最後の日であるかのように生きる」(77頁)と言うのがNVの延長にあるという生き方。3・11の朝、そうしたNVでもって迎えた被災者はどれだけいただろうか? そして、これから日本人としてどう国際社会で生きていけるのか?2014/01/20
ぶるーめん
6
ストア哲学者、特にセネカ、エピクテトス、ムソニウス・ルスフ、マルクス・アウレリウスを取り上げ、その智慧を現代にいかに生かすかについて。ストイックというと取っつきにくくつらいイメージだが、著者は自分の実体験を踏まえつつ、そのイメージを覆してくる。ネガティブ・ビジュアリゼーション、運命論、自制、怒りへの対象、価値観、老い、そして死。どれも現代に生きるヒントになりそうだし、軽い気持ちで「人目を忍ぶストイック」として取り組んでみようと思わせる。仏教にも近い感覚。ストア哲学の原著に触れてみたいと思わせてくれる本。2020/02/12
くらーく
4
良き人生を送りたい、と言うのも欲だが。 知足。 ローマの哲人が生きた頃に比べ、どれだけ恵まれている事か。2014/01/25