内容説明
欲望はどのようにして生まれ、われわれをどこへ導いていくのか?最先端の生物学的研究成果から古今東西の哲学、宗教の智恵にいたるまで。アメリカ図書館協会CHOICE誌2006年度優秀賞受賞作。
目次
1 欲望の秘密の生活(欲望の潮の満ち引き;他者)
2 欲望の科学(欲望の水脈をたどる;欲望の源泉;欲望の心理学;欲望の進化;生物学的インセンティブ・システム)
3 欲望とどうつきあっていくか(人間の置かれた状況;仏教、キリスト教、イスラム教;アーミッシュ、フッター、オナイダなど;哲学と欲望;エクセントリック=変わり者;結論)
著者等紹介
アーヴァイン,ウィリアム・B.[アーヴァイン,ウィリアムB.][Irvine,William B.]
ミシガン大学で数学と哲学を学んだ後、カリフォルニア大学ロサンジェルス校で哲学の修士号と博士号を取得。オハイオ州デイトンにあるライト州立大学哲学科教授。『欲望について』で、アメリカ図書館協会CHOICE誌2006年度優秀賞受賞
竹内和世[タケウチカズヨ]
1941年神奈川県生まれ。東京外国語大学スペイン科卒業後、社団法人ラテン・アメリカ協会研究部に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
WATA
72
欲望のしくみについて科学的に分析し、欲望をコントロールするさまざまなテクニックを紹介する本。欲望に流されっぱなしの人生も、欲望の全くない人生も不幸であり、幸福を得るためには欲望を程々に抑えるのが良いと説く。宗教にたよる方法、ギリシャ哲学者の思想をなぞる方法、エクセントリックな変わり者として生きる方法などアドバイスは豊富。この中で一番使いやすいのはギリシャ哲学者のテクニックだが、個人的にはディオゲネスやソローの「変わり者」の生活に心惹かれる部分がある。次はその2人に関する本を読んでみたい。2014/09/04
テツ
27
欲望の仕組み。適度な欲望は確かに人間を成長させ社会を発展させていくのだろうけれど、僕たち個人の内から発する欲望というものは、食欲にしろ性欲にしろ結局は次の世代に遺伝子を残すための行動を身体に取らせるためのものであって、本質的には個人の幸福とは全く関係ないんだな。本当の僕個人に全てが還元される欲って、欲しいものってなんなんだろと考えながら読了。エスカレートする欲望に飲まれないよう。足るを知ること。身近にある手の届くことに満足し、愛する人の幸福を願うこと。大切なことだと思う。2018/11/11
あなたの街の悠太です。
7
あれこれ欲望について推察した結果、豊かに生きていくには『足るを知る』ことだと著者は言う。 私も極めて同感なのですが、問題はその事実を甘んじて受け入れるか、心から納得して受け入れるか、それが幸福への分かれ道なんでしょうね。 しかし後者の道を行くには、著者も言うように一朝一夕で理解出来るものではないので、禅のような宗教に傾倒するもよし、幅広い読書などから勉強するもよし、各々の気質に合った方法でやっていけばいいんでしょうね。 うん、賢いものになろう。 元気を貰えた本でした。2014/01/21
ピュシス
4
甘いものが美味いのもセックスしたいのも他人から称賛されたいのも全部そういう人間が子孫を残したからであってそれ以上のものではない 遺伝子は自己複製を至上命令としてるので、個体の幸福には関心がない 遺伝子の発する命令に奴隷みたいに付き従うのが幸せとは思えない 欲望ってゆうものにたいして進化論的に見るのはいい観点だと思いました2017/02/20
ロク=デモス・ナオ
3
んー、面白いところがないわけじゃないんだけど、そういうものかなという。2013/09/13
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