WEIRD「現代人」の奇妙な心理〈上〉―経済的繁栄、民主制、個人主義の起源

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WEIRD「現代人」の奇妙な心理〈上〉―経済的繁栄、民主制、個人主義の起源

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  • サイズ 46判/ページ数 432p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784826902540
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0022

出版社内容情報

「現代人は、歴史上存在した社会や、人類進化の途上で存在した社会の人々とは、神経学的にも心理学的にも全く異なっている――」(本文より)

市場経済や法律、科学、民主主義の起源を探ると、それら現代を特徴づける制度や概念が誕生するよりも先に、ヨーロッパの人々に現代的な心理が芽生えていたことがわかる。

従来考えられていたように、社会制度や物質的豊かさが人々の心理を変えてきたのではなく、まず人々の感じ方や考え方が変化し、それによって社会が変わり、歴史がつくられてきた。

そうして生まれたヨーロッパ人の現代的な心理は、その後、文化の伝播や国家間の競争を通じて世界中に広がり、世界のあり方を大きく変えていくことに――

ジャレド・ダイアモンドが『銃・病原菌・鉄』のテーマに組み込まなかった「人々の心理」を、歴史を動かすファクターとして捉えなおすことで新しい世界像を描き出す、知的興奮の書!

16か国で刊行の世界的ベストセラー!


:::::::::世界的著名人が絶賛!:::::::::

「社会思想書における最高傑作」
――マシュー・サイド『多様性の科学』著者

「現代世界の起源を知るうえで必読」
――ウォルター・シャイデル『暴力と不平等の人類史』著者

「世界全体で生活水準を向上させ、大規模かつグローバルな課題に対処する方法を見つけることは、今後ますます重要になってくる。人々の多様性が何に由来するのか、それがこうした問題に立ち向かう上でいかに重要であるかを、わたしたちは認識しなければならない。それらの問いの答えを知りたい方は、ぜひ本書を読んでもらいたい」
――ダロン・アセモグル『国家はなぜ衰退するのか』『自由の運命』共著者

「学術書としても啓蒙書としても偉大な一冊」
――マット・リドレー『人類とイノベーション』著者

「すべての人間は共通した心理を持つという定説をくつがえした」
――リチャード・ランガム『善と悪のパラドックス』著者

「目もくらむような偉業」
――リチャード・ニスベット『木を見る西洋人 森を見る東洋人』著者

「現在繁栄している国の人々の心理的特徴は人類社会に普遍的なものではなく、(……)中世ヨーロッパのカトリック教会がもたらした制度的変化の結果だ。本書は現代社会の起源に関する議論を大きく変えていくだろう」
――ポール・シーブライト『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか?』著者

「ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』よりもはるかに深くて野心的な本」
――ダニエル・C・デネット『心の進化を解明する』著者

「2020年で最も重要な本のひとつ」
――キャス・サンスティーン『NUDGE 実践 行動経済学』共著者

内容説明

西洋化した現代人の心理は、歴史上のどんな社会の人々とも、まったく異なっている。その奇妙な心はいつ、いかに生まれたのか?わたしたちは、何者なのか?16カ国で刊行のベストセラー!

目次

序章 あなたの脳は改変されている
第1部 社会と心理の進化(WEIRDな心理;文化的動物となる;氏族、国家、そして、ここからそこに到達できないわけ;神様が見ておられる、正しい行ないをなさい!)
第2部 WEIRDな人々の起源(WEIRDな家族;心理的差異、家族、そして教会;ヨーロッパとアジア)

著者等紹介

ヘンリック,ジョセフ[ヘンリック,ジョセフ] [Henrich,Joseph]
ハーバード大学人類進化生物学部長

今西康子[イマニシヤスコ]
神奈川県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キク

60
現代世界のありかたはWestern(西洋の)Educated(教育水準の高い)Industrialized(工業化された)Rich(裕福な)Democratic(民主主義の)人々、WEIRD(ウィアード)によって方向づけられたが、WEIRDは世界では異質な存在であると説いている。主要な心理実験の被験者のうち、96%は北ヨーロッパ・北アメリカ・オーストラリア出身であり、そのうちの70%はアメリカ人だった。現代の奇妙な超個人主義者達の出現を、古代まで遡って文化人類学的に考察している。2024/03/07

あつお

13
西洋文化がなぜ繁栄したかを探る本。 ①「WEIRD」の人々は、個人主義的で非同調的な思考を持ち、科学的な問題解決手法を好む。累積的文化進化の結果、複数の文化的衝突を生き延びたのが「WEIRD」文化である。②その繁栄の理由として、婚姻制度が重要であり、親族婚が禁止されたことで文化的多様性が生まれ、変化に強い人材が育った。③宗教の影響も大きく、死後の世界を信じることで道徳的な行動が促され、集団としての結束力が高まったと考えられる。この本は、私たちの持つ文化的バイアスに気づかせ、人としての正道を示唆してくれる。2024/05/16

じゅん。

8
これまでに下された結論は、西洋社会のサンプルが多く、それは西洋の(western)、教育水準の高い(educated)、工業化された(industrialized)、裕福な(rich)、民主主義の(democratic)な社会出身のすなわちWEIRDに偏っているとして、それが世界ではごく少数のものでしかないとして議論を展開する。2024/09/08

みみりん

8
WEIRDとは西洋の、教育水準の高い、工業化された、裕福な、民主主義の頭文字。彼らの特長は個人主義的で、自制を重んじ、集団への同調傾向が低く、分析的思考に長けている。この種の傾向の人達が育まれていくきっかけは宗教改革でプロテスタントが生まれたから。自分は教育水準が高いわけでも裕福でも無いがプロテスタント幼稚園で牧師である園長の毎朝のお話にかなり大きな影響を受けて育ったと思う。幼い頃いつも神様が見ているから正しい行いをしなくてはいけないと信じていた。そのため母親の価値観と全く違っていつも反発していた。2024/08/15

たかぴ

5
個人主義観念複合体の中にも入ってるし親族ベースの思考も持ってる。カトリックではなくプロテスタント達の聖書による個人と神の繋がりを、それ以降の文字による意識改革との仮説はとても面白い。2024/03/23

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