内容説明
脂肪の多い食事は体に悪い、朝食は必ずとるべきだ、ビタミンサプリで健康になれる、太るのは意志が弱いからだ…。これまで正しいとされてきた食事とダイエットの「常識」には、実は間違いがいっぱい!最新科学が解き明かす、本当に体に良い食生活の秘密と、腸内細菌の知られざる力。
目次
ダイエットという神話
微生物―ダイエットとマイクロバイオーム
カロリー―運動で本当に痩せられるのか?
総脂質―体に良い脂肪、悪い脂肪
飽和脂肪酸―乳製品のすすめ
不飽和脂肪酸―オリーブオイル、そのほか地中海式食事
トランス脂肪酸―ジャンクフードの恐るべき真実
動物性タンパク質―肉と魚と旧石器時代
非動物性タンパク質―豆、海藻、キノコ
乳製品由来のタンパク質―「牛乳を飲めば大きくなる」は本当か?〔ほか〕
著者等紹介
スペクター,ティム[スペクター,ティム] [Spector,Tim]
ロンドン大学キングス・カレッジ遺伝疫学教授、英国医科学アカデミーフェロー。双子研究の世界的な権威であり、近年はとくにマイクロバイオームを中心に研究を続けている
熊谷玲美[クマガイレミ]
翻訳家。東京大学大学院理学系研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
26
「ダイエット」の文言に目が行きがちだけど、どちらかと言うと副題がメイン。とにかくなにかを食べると健康になる或いは健康を害するという単純な話が広まりやすいけれど、実際にはそんなに単純なものではないし、なにごとも過ぎれば害悪になるということが分かります。さまざまな知見を検証していった結果、著者は「腸内細菌」に注目するというところにたどりつくのだけど、そのあたりの知見はなかなかに興味深いです。過度の衛生概念に振り回されず、いろんなものを食べよう、という結論は納得がいくものでもあります。厚いですがおすすめ。2017/09/21
スウィーニー校長
13
★★★★★ ダイエットは、減量ではなく食事という意味。 食事や成分について、有効か有害か、エビデンスはどうなのかをツラツラと書かれています。 「これを食べろ!」や「コレを食べるな!」という明確なメッセージがある訳ではないので、読んでいて面白くはないが、そこが本書の非常に良い所、有益な所だと思う。 ちなみに表紙はブロッコリーだが、特にブロッコリーに関する記述は無い。2019/06/13
あんこ
12
巷あふれるダイエット神話を豊富なエビデンスで検証する。筆者が実際に試した話もあって、読みやすくとても面白かった。自分のお腹にもいる腸内細菌がいとおしく思えてくる。どんな細菌がいるのか検査してみたい。翻訳者の人も細菌検査を受けたそう。人間ドックで一緒にできたら手軽でいいのになあ。2018/04/10
GASHOW
9
いわゆるダイエット本がエセ科学で溢れていることから、そものそも人体の仕組みや食料が取り込まれることなどを科学的に解説している。優しい表現で詳しさも絶妙。解説の種類が多く、各ボリュームが少ないので読みやすい。大腸菌と人類の共生関係を説明している本によるダイエットの解説の本をまさに読みたかったので、すごくよかった。2017/08/17
スリカータ
7
痩せるためのダイエット本ではありません。健康の為には、腸内細菌の多様性を向上させましょう、という内容。それを様々な事例を挙げて、解説している。双子を使った実験が多いと思ったら、著者は双子研究の第一人者だった。今はやりのグルテンフリーなど、食品群の一部を食べないダイエットは腸内細菌の多様性を高める訳はなく、無意味だと判る。良質な乳製品とエキストラバージンオイルはお勧め。海藻やキノコ類も良い。大便の半分弱は腸内細菌の死骸。2017/11/14