内容説明
戦争が、科学技術を進化させた。弓矢や投石機から、大砲、銃、飛行機、潜水艦、さらには原爆や水爆へと、次第に強力になっていく兵器はどのように開発されたのか?戦争の様相を一変させた驚異の兵器とそれを生みだした科学的発見を多彩なエピソードとともに解説する。
目次
古代の戦争と物理学の始まり
古代の兵器の物理学
ローマ帝国の勃興と、英仏の初期の戦い
火薬と大砲―戦争の技法と世界を変えた発見
時代を先取りした三人―レオナルド・ダ・ヴィンチ、タルタリア、ガリレオ
初期の銃から、三十年戦争、ニュートンの発見まで
産業革命の影響
ナポレオンの兵器と電磁気の発見
アメリカの南北戦争
銃弾と砲弾の弾道学
航空力学と最初の飛行機
機関銃の戦争―第一次世界大戦
無線とレーダーの開発
ソナーと潜水艦
第二次世界大戦
原子爆弾
水素爆弾、大陸間弾道ミサイル、レーザー、そして兵器の未来
著者等紹介
パーカー,バリー[パーカー,バリー] [Parker,Barry]
アイダホ州立大学物理学名誉教授。物理学に関する定評ある書籍を多数執筆
藤原多伽夫[フジワラタカオ]
翻訳家、編集者。静岡大学理学部卒業。自然科学、探検、環境、考古学など幅広い分野の翻訳と編集に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naotan
14
夫はこの本の後半が面白かったと言っていたけど、私はナポレオンあたりまでが良かったなあ。帯の「戦争が、科学技術を進化させた」という言葉に色々と思いを巡らせつつ、ファインマン先生の「カーゴ・カルト・サイエンス」を思い返してみる。 2019/03/15
Ryo
9
見事に著者の術中にはまった。もしこの本を中学高校で読んでいたら、自分は理系に進んでいたかも知れない。男子の大好きなミリタリーと、難解で挫折する物理がストーリーによって繋がった本。物理と戦争で思いつくのは、やはり弓と原子爆弾だろう。前者はいわゆる物理学。後者は論理物理学の領域だ。人は最初、運動を観察して学び物理学を生み出した。初期の兵器は皆試行錯誤の産物であり、物理計算によるものでは無い。その後物理学は論理物理学へと発展し、試行錯誤の域を越える。その象徴が原子爆弾だ。武器と物理の発展の歴史。これは面白い。2019/04/08
デューク
5
「『驚異の兵器』は、物理学がその先鞭をつけることが多い」。そう語る筆者による、物理学から見る兵器の歴史。 ニュートン力学に支配された弓矢、大砲。航空力学をもって制御する戦闘機、爆撃機。電磁力学が実現したレーダー。そして量子力学w応用した原子爆弾。などなど、戦争が技術を進歩させたという、人類の歴史がよく分かる一冊2017/03/03
GASHOW
5
戦争の武器についての進化の歴史の本としてみると面白い。世の中の物理学や科学の発明が武器に反映されている。銃が火種を必要としていた時代の弾は球体だったが、どんぐりのようになっている理由など原理を解説してくれている。2016/12/21
茶幸才斎
4
古代の戦闘馬車から第二次大戦の核兵器、更に現代の無人偵察機まで、各時代の新兵器の歴史と技術と物理学理論について解説している本。人は兵器にも効率を、最小の操作で得られる最大の打撃力を求める。そこには三つの法則がある。第一法則(慣性の法則):一度発見された技術的効率は、新たな効率が加わらない限り維持され、もはやそれ無しの世界には戻れない。第二法則(運動法則):技術効率の加速度は、人の恐怖心の大きさに比例し、寛容さに反比例する。第三法則(作用・反作用の法則):技術の効率化は、その技術への対抗技術の効率化を生む。2018/08/13