内容説明
ノーベル賞物理学者が贈る珠玉の入門講義。難解な量子力学の概念を、数式をほとんど使わずにやさしい言葉で解説した名著。
目次
第1章 これがショックじゃないなら、君はわかっていないのだ
第2章 量子以前
第3章 隠れていた光の性質
第4章 反抗者たち、オフィスに押しかける
第5章 ハイゼンベルクの不確定性原理
第6章 世界を動かす量子科学
第7章 論争―アインシュタインvs.ボーア…そしてベル
第8章 現代量子物理学
第9章 重力と量子論―弦理論
第10章 第三千年紀のための量子物理学
補遺 スピン
著者等紹介
レーダーマン,レオン・M.[レーダーマン,レオンM.] [Lederman,Leon M.]
1922年生まれのアメリカの実験物理学者。ボトムクォークの発見で知られる。1988年にミューニュートリノの発見によるレプトンの二重構造の実証でノーベル物理学賞受賞。イリノイ数学科学アカデミーの常任研究員、フェルミ国立粒子加速器研究所名誉所長であり、イリノイ工科大学プリツカー科学教授
ヒル,クリストファー・T.[ヒル,クリストファーT.] [Hill,Christopher T.]
理論物理学者。シカゴ大学物理学科非常勤教授、客員研究員、オックスフォード大学客員研究員を経て、フェルミ国立粒子加速器研究所理論物理学部長
吉田三知世[ヨシダミチヨ]
京都大学理学部物理系卒業。英日・日英の翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アドソ
9
5章くらいまではありふれた展開でチョット退屈。半年ほどかかってようやく読了。さすがのノーベル賞学者でもこの程度(失礼!)かと思ってしまった。7章のベルの定理あたりからようやく面白くなってきて、宇宙の次元の話でMAX。最後は量子コンピューティングにさらりと触れながら終了。「詩人のための」を意識しすぎなのか、詩や文学などを引き合いに出したりするのは、ややわざとらしくて鼻白む。人によってツボが違うと思うので、面白いと思うところだけ読み込めばいい。理系/文系という心理的な垣根を取っ払うことに与すればそれでいい。2015/09/27
はる
8
前回読んだ「…ヒッグス粒子の先までの物語」の読みやすさに惹かれ温めて置いた本。その間、数冊量子世界の読み物としての本を読んだ。少しは理解しているのかなの期待を持ち読んだ。確かに「詩人のための…」と題するだけあり取っつき好いが手強い。しかし原子を構成する電子がジャンプするとき起こる光の振動の周波数が蝶の可視光の色で現れるとか、原子が分子、更に個体を形成するとき、ある原子軌道の電子が寄り合う原子同士間の周縁を軌道にジャンプする(燃焼とか、結合とか化合とか)とか、身近に量子世界は在ると読めた。2023/11/08
カイエ
8
正直なところ理解度は50%、いやそれ以下かも。やっぱり数式がわからないと楽しさも半減だよなぁ。高校物理の波あたりから勉強しよう。ブラックホールから抜け出せないのはただ重力が強いからだと思っていたけれど、そうか、抜け出すためにエネルギー=質量を使い果たしてしまい、何もなくなるからなのか。本体は消えて、事象の地平線に残るのはそこから逃れられない光、つまりは残像。そんなイメージが浮かび、なんだかグッときてしまった。2021/11/25
chie
7
図書館にリクエストして購入してもらった本。古典力学に端を発する量子力学がどの様に展開してきたか、みっちりと講義してある。解明しようとすればする程、曖昧になっていく量子の世界。現代の日常は、偉大な科学者達の飽くなき研究によって成り立っているのかと、唖然とする。入門書とはいえ、それなりに知識を持った人を前提とした参考書で、私はほとんど夢うつつで読んでしまい、専門知識を身につけることは出来なかった。感じたことと言えば、量子力学は詩的であるとともに、音楽的だということ。この本が有効活用してもらえることを願う。2015/07/17
Amano Ryota
7
量子力学について、理論誕生の背景から現代に至るまで、その歴史や理論の勘所を、じっくりと腰を据えて解説し、出来るだけ数式は使わず、平易な言葉で分かり易く教えています。分厚いので少々骨は折れますが、ページを捲る気さえあれば、素人にも充分理解できる(少なくとも理解不能でお手上げにならない程度には)丁度良い按配の難さでした。随所に挿入される例え話が親しみやすく、量子力学の面白さを伝えたい!という著者の気持ちが伝わってきます。量子力学が世界の見方を変えた学問分野であることが改めて分かる良書です。2014/06/16