内容説明
風雪に耐えた「中国の日本人公墓」中国・ハルビン市方正県物語。「開拓」という名によって“新天地、満洲”へ渡った人々が遭遇した悲惨は、飢えと寒さ、そして発疹チフスで死屍累々、白骨の山に象徴される。苦難を超えて生き延びた人々の貴重な現代史の証言集である。
目次
はじめに 満蒙開拓団の悲劇を超えて―中国ハルビン市方正県日本人公墓建立の物語(大類善啓)
日本の近代とは…“夜明け”から暗黒へ(大類善啓)
特別寄稿 日本人公墓についての随想(王鳳山)
天を恨み地を呪いました―中国方正の日本人公墓を守った人たち(奥村正雄)
あの歴史に立ち会う―「方正地区日本人公墓」建立前後の回想(趙喜晨)
報恩の「中国養父母公墓」 自力で建立した遠藤勇の物語(大副敬二郎)
金丸千尋―中国・東北との友好に駆けた男(大類善啓)
ある満蒙開拓団員の戦後(宮沢一三(長野県))
水稲王 藤原長作物語―中国の大地に根づいた日中友好の絆(大類善啓)
「方正県」との出会いとその関わり―ある一つの方正支援活動報告(大類善啓)
著者等紹介
大類善啓[オオルイヨシヒロ]
1944年生まれ。法政大学文学部哲学科卒業後、欧州、中東、アジアで遊ぶ。その後、週刊誌記者、フリーライターなどを経て79年以降、中国との交流に関わる。現在、一般社団法人日中科学技術文化センター常勤理事。また、中国ハルビン市郊外の方正県にある日本人公墓(1963年、周恩来総理の認可の下、建立された)の存在を通じて、日本の中国へ加害と被害の実相などを伝えてゆこうと2005年、方正友好交流の会を立ち上げ、理事長として会報『星火方正』を編集発行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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