内容説明
町辻や門口、祭礼などの場で、名もなき漂泊の民によって語られる門付けの芸、大道芸となった説経は、ささら、鉦、羯鼓などの鳴り物を背景に賑やかにしめやかに、語り手が熱をおびれば聴衆も固唾をのんで見守る大衆芸能へと変貌を遂げた。悲劇の美少年「しんとく丸」が問わずがたりに語る母とは何か。愛とは何か。心の眼で何を見るか。説経節が残した問いかけに、あなたはどう答えますか!?
目次
1 説経節をめぐって
2 説経節『しんとく丸』の世界
3 家族という闇
4 しんとく丸と愛護の若
5 芸能にみるしんとく丸
6 生き続けるしんとく丸
著者等紹介
福井栄一[フクイエイイチ]
大阪府吹田市出身。京都大学法学部卒。京都大学大学院法学研究科修了。法学修士。上方文化評論家。四條畷学園大学看護学部客員教授。京都ノートルダム女子大学国際言語文化学部非常勤講師。関西大学社会学部非常勤講師。朝日関西スクエア会員・大阪京大クラブ会員。上方の歴史文化や芸能に関する評論を手がけ、国内外の各地で講演やテレビ・ラジオ出演などを精力的におこない、その独特の「福井節」が人気を博している。また、上方舞・地歌・落語公演の企画・制作も手がけるなど、上方文化の新しい語り部、上方ルネサンスの仕掛人として注目を集めている。剣道二段(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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