出版社内容情報
心の病とは何か、なぜ人は心を病むのか、自然治癒力とは何か――多様な視点から精神科治療論の再構築をめざした総力編集である。精神科医療の原点が問われている。心の病とは何か、なぜ人は心を病むのか、自然治癒力とは何か、日常的な医療行為において法的規制と患者の人権との狭間に立たされた場合、どのような態度で医療に臨むべきか。
臨床現場で常につきまとうこうした問題に、ベテラン医師をはじめ、新進気鋭の若手医師がそれぞれの経験を踏まえて自身の治療論の原点を論述し、また過去の優れた臨床経験を踏まえた医師の含蓄のある、未だに精彩をはなっている名言を採取したユニークな論考など、多様な視点から精神科治療論の再構築をめざした総力編集。
[巻頭言] 治療と回復の原点(高岡健)
[アンケート] 精神医療(治療)の原点とは何だろう?――編集同人・編集委員へのアンケート
精神科治療の私の原点(熊倉伸宏)
原点をさがす旅(塚本千秋)
精神科看護の原点――傍らに寄り添う(坂田三允)
精神医療の見えるものと見えないもの(野間俊一)
いま、心理療法の原点とは何だろう?――“神経科学と心理療法”の視角から(岡村達也)
精神医療(治療)の〈原点〉とは何だろうか(森山公夫)
[コラム+連載+書評]
[視点46]石巻事件(高岡健)
[連載6]精神科看護と歩んだ54年間――教育編(?)【2006年? 2014年】(柴田恭亮)
[短期連載1]国家の意志と精神保健福祉士のポジション――メンタルヘルス戦略システムの調整装置としてのPSW(古屋龍太)
[新連載]異域の花咲くほとりに 1 自由について(菊池孝)
[コラム]精神医療国家賠償請求訴訟運動の現状と課題(東谷幸政)
[紹介]『響き合う街で No.76 特集:精神科強制入院に人権を問う』[やどかり出版刊(東修)
[書評]『オープンダイアローグ』ヤーコ・セイックラ,トム・エーリク・アーンキル著(高木俊介,岡田愛訳)[日本評論社刊](近田真美子)
[書評]『DSM時代における精神療法のエッセンス――こころと生活をみつめる視点と臨床モデルの確立に向けて』広沢正孝著[医学書院刊(?田知二)
[書評]『未成年』イアン・マキューアン著(村松潔訳)[新潮社刊(田中容子)
[書評]『もうひとつの「帝銀事件」―二十回目の再審請求「鑑定書」』浜田寿美男著[講談社刊](中島直)
[編集後記](森山公夫)
森山公夫、高岡健[モリヤマキミオ タカオカケン]
『精神医療』編集委員会[セイシンイリョウヘンシュウイインカイ]