内容説明
マルクス経済学の中で一世を風靡した宇野(弘蔵)学派の特異な存在であった岩田弘は、『世界資本主義』(未来社版、1964年)を出発点として、1990年代以降においてソ連邦の崩壊、中国巨大資本主義の登場によって様相が一変した世界資本主義の意味解析に取り組み、旧版『世界資本主義』を『世界資本主義1』に改訂して、さらに新たなコミュニズム(コミュニティ主義)の理論的枠組みを構想する『世界資本主義2』を目指したが、脱稿できないまま逝去された。岩田弘の遺稿と研究者による「世界資本主義」論の検証、そして追悼文を収録した遺稿集である。
目次
第1部 岩田弘と世界資本主義(『世界資本主義2』のプランについて(解題)
岩田弘と『世界資本主義』とを振り返って
グローバル資本主義とマルチチュード革命―ネグリ&ハートの『帝国』に寄せて
3.11後の世界と日本資本主義が直面する問題―現代型製造業のグローバルなネットワーク化と新情報革命の世界史的意味
経済学原理論序説)
第2部 「世界資本主義」の現局面をめぐる鼎談(始まった世界恐慌、その歴史的意義を問う;アメリカ金融危機が意味するもの―29年型世界大恐慌は始まったのか;現代資本主義と世界大恐慌;宇野経済学50年をめぐる座談会)
第3部 追悼 岩田弘先生(追憶の二重丸;岩田さんの人と学問;岩田先生を偲ぶ;岩田弘先生の追悼の意を込めて;最晩年の岩田先生から学ぶ)
著者等紹介
五味久壽[ゴミヒサトシ]
1945年長野県に生まれる。67年東京大学経済学部卒業。73年同大学院経済学研究科博士課程満期退学。80‐2015年立正大学経済学部教授。立正大学名誉教授。博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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