内容説明
福島原発事故から3日後の3月14日に原発方針大転換を表明した、ドイツ・メルケル首相。6月6日の閣議で、即時廃炉8基、残り9基も2022年までに廃炉とする等の脱原発方針を固め、直ちに連邦議会に関連法案を一括提出。その決め手は倫理だった。1ヵ月後には賛成多数で脱原発は確定した。一方、日本は足元で大事故を起こしながら、今後の方針を何も決めず決まらず、今また原発容認とは!ドイツと日本、この違いは何に由来するのか。幾度となくドイツに紀行して見聞し、考えた脱原発の思想を平易に説き明かす。
目次
第1部 原発をめぐるドイツと日本(ドイツの選択;わが道を行く原発大国フランスだが…;原発急発進の日本―その先にあったものは?;日本の原発の行方)
第2部 ドイツ人、そして日本人(ダブルスタンダードの原発輸出;ヴェッツラーで問われる原発の本質;「原発と倫理」のマールブルク;「ゲッティンゲンの七教授事件」と反核の「ゲッティンゲン宣言」;「菩提樹」の町でも原発談義;ハンザの町から首都ベルリンへ;六度目の訪問!ゲンゲンバッハ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どら猫さとっち
1
東京電力福島第一原発事故から2年。まだ原発にしがみついている現在。だからこそ、本書は読んでおきたい。著者は自身のドイツ旅行で知った、ドイツの脱原発の在り方や、原発事故を起こした原因と批判を的確に本書で示している。ドイツにあって、日本にないもの。電気の使い方や、原発の真の恐ろしさを熟知ているからではないか。。熊谷徹『脱原発を決めたドイツの挑戦』と合わせて読んでおきたい。2013/03/05
RuiRui
0
第二部がおもしろい。メルケルが当時、判断のために最重要視した項目が経済性よりも「倫理」だという事には考えさせられる。2014/06/25