内容説明
“人と関わりすぎると怨恨で殺すし、孤独だと無差別に殺すし”という携帯サイトの書き込みは、家族という絆が断たれたときの衝動に根ざしている。引きこもれなかった若者の「孤独」をキーワードに、家族論による考察と精神医学の知見によって事件の真相を再検証する。
目次
第1章 秋葉原無差別殺傷事件は、なぜ起きたのか(親殺しに先行する子殺しとしての事件の性格;「孤独だと無差別に殺す」という携帯サイトの意味 ほか)
第2章 心的現象としての掲示板への書き込み(携帯サイトの掲示板にみる「本音」と「本心」;自己表出・指示表出として表現された孤独の世界 ほか)
第3章 自殺未遂から無差別殺傷事件へ―自殺論の射程(表現型オタクにとっての主体の危機―ネット社会の限界;三回の自殺未遂事件 ほか)
終章 秋葉原無差別殺傷事件の総括と補論―裁判をめぐって(裁判官・検察はこの事件をどうとらえたのか;不細工な自分という自己規定の虚構―母親の愛への渇望 ほか)
著者等紹介
芹沢俊介[セリザワシュンスケ]
1942年東京生まれ。1965年上智大学経済学部卒業。文芸・教育・家族など幅広い分野の評論で活躍。現代の家族や学校の切実な課題、子どもたちの問題を独自の視点で捉えている。我孫子市在住
高岡健[タカオカケン]
1953年生まれ。精神科医。岐阜大学医学部卒。岐阜赤十字病院精神科部長などを経て、現在、岐阜大学医学部准教授。日本児童青年精神医学会評議員。雑誌「精神医療」(編集=「精神医療」編集委員会、発行批評社)編集委員をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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