内容説明
人間は道具をもち、言葉を発明して以来、この地球上に棲息するあらゆる生物を支配してきた。近代はその極点にあり、近代の犠牲者である統合失調症の人びとが集うガンバロー会と付き合うなかで、近代を抜けるという困難な課題に挑んだ一人の精神科医の機知と諧謔に満ちたユニークな実践記録である。
目次
第1部 まずは、一緒に「日向ぼっこ」を(意味の世界を遊ぶ;一貫性のない私、なごやかな私;個人としての私と、特異性としての私、ないしは、硬い私と、自由な私;「日向ぼっこ」について)
第2部 そして、「我々の…」ではなく、「私の…」話をしよう(帰還なき旅、ないしは「唯それだけ」への旅;風の流れ;愛とエロス;風をとらえるために;ぶち抜かれた世界の中で;へい、じいさん、玉にやけどすんなよ;一緒に“いる”、…“こと”が生まれる;奈良の都の一泊旅行;息詰まる均質空間)
著者等紹介
仲野実[ナカノミノル]
大阪市立大学卒業。堺市の浅香山病院に精神科医として勤務して四半世紀。病院の開放化、「作業療法」の解体、長期在院者のアパート退院等々に努力。現在、大阪市立大学非常勤講師(「障害者論」)、ナカノ*花クリニック院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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