内容説明
現象から本質へ、そして、本質から現実を透徹した眼差しで凝視し続ける吉本隆明VS森山公夫の心的現象論の新領域。
目次
第1章 文学と統合失調症の心的世界
第2章 「臨死体験」と原始仏教の世界―死に損なって体験とその後
第3章 もうひとつの視線―四次元的幻視の心的世界
第4章 「和解」と「諦念」、そして「内省」―新しい関係世界の脱=構築
補章1 僕のメンタルヘルス
補章2 それから―老いの心的現象論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
7
対談集なのだが、精神科医が医学的な現象の解釈を素人の思想家に聞くってどうなの?とにかく吉本隆明の教えを請おうとする姿が読んでいてうるさい。一部の、というか多数の人たちに圧倒的な影響力のある吉本隆明だけど、この本の彼の話は、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと、論点が定まらない。頻繁に同じ話を繰り返すし、テーマからどんどん逸脱するし、大丈夫なの?彼が持ち上げられれば持ち上げられるほど、引いていく私。久々に読む本を間違えたと思いました。多分これ、吉本隆明ファンブックです。2018/05/17
Nobor
0
漱石「三四郎」のシーンとかよう覚えてる。そこが統合失調的とはあまり思わなかったのでぎくっとする。2010/07/26
おたんこなすび
0
あーおもしろかった☆全然かみ合ってない気がするし、とんちんかんな話になってるところもおもしろいっ!ゆる〜く、でもめちゃくちゃ底は深くてちょっと覗いたらおそろしい…という印象。「通りの先のおせんべい屋さんまで歩いていくのが今の目標」と仰ってる吉本さんにすごく同感!一緒に生きます!!2010/02/10
夜雨直樹
0
時代は発達障害(?)だと言うのに、今更ながら統合失調症を取り上げてる本。しかし、僕は統合失調症の当事者なんだな。いや、この森山って人も、結構どころか、かなり良いこと言ってるよ。「よく休んで、よく眠れてリラックスできるように薬を出してる」って、こういう言い方が絶妙だぞ、案外。何、発達障害みたいなタッチで、漱石とか芥川の統失の症状の文章、取り上げてんじゃん。これ絶対読んでよかった。2019/11/03