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蝦夷(エミシ)・アテルイの戦い―大和朝廷を震撼させた

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784826503532
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0021

出版社内容情報

自然とともに共生社会に生き、自然と人間を征服しようとする大和朝廷と戦ったエミシやアテルイの生き方に学ぶ、格好の入門書。日本の古代史をぬりかえる!
西暦2002年で、大和朝廷の蝦夷征討に抗して闘った蝦夷の族長、アテルイとモレが懐柔と謀略によって斬殺されてから1200年になる。大和朝廷(桓武天皇)は、延暦8年の衣川の戦いで大敗。征夷大将軍坂上田村麻呂は4万の朝廷軍を従えて蝦夷征討に赴き、懐柔と謀略でアテルイとモレを誘き出し、河内国杜山で斬殺した。遙かなる縄文の風景を生きたアテルイとモレの血脈が、いまだにエミシの末裔に生き続けている……。

はじめに なぜ今、「エミシ」と「アテルイ」か
エミシの英雄、アテルイ謀殺から一二〇〇年/捏造され続けた日本古代史/エミシ、アテルイに何を学ぶか

前編 エミシとは何か

第1章 モンゴロイドとは何か
黄色人種モンゴロイドとは何か/旧石器遺跡の捏造で否定された日本原人の存在/中期旧石器時代から北上川流域に先住民が進出/日本先住民はどこから来たのか/古モンゴロイドがたどった南方ルート/稲作文化が入った中国ルート/新モンゴロイドがたどった北方ルート

第2章 縄文人とは何か
日本や中国の史書にあらわれた日本先住民/縄文人はどこから来たのか/三内丸山人が縄文文化に与えた影響/亀ケ岡人が縄文文化に与えた影響/縄文文化はなぜ、衰退したのか

第3章 エミシとは何か
国史は「蝦夷」をどうとらえたか/エミシとは東北地方の「まつろわぬもの」の総体/中央の権力闘争に敗れた人々/エミシはどこから来たのか/日高見国とは何か/アイヌの人々はどこから来たのか/続縄文文化、擦文文化とは何か

第4章 エミシ社会とは何か
エミシの伝統的な縄文社会とは何か/自然とつらなるエミシの世界観/エミシ社会にも農耕文化があっ/世界の富を独占した「ソロモンの栄華」/タルシシ船は東アジアにも進出した/滅亡したイスラエル王国の再興をめざす/極東まで達したメソポタミア都市文明の影響/殷はメソポタミアの海洋民が植民した国/陸のシルクロードの極東への影響/海のシルクロードの極東への影響/正倉院は「シルクロードの終着駅」/シルクロードを支配したユダヤ勢力の影響/原始キリスト教徒の東漸

第8章 秦帝国とは何か
倭人、倭国は殷王国の継承者か/倭人は前期弥生人として侵攻した/秦帝国・始皇帝一族はギリシャ系ユダヤ財閥/始皇帝は母国であるペルシャの制度を導入/徐福伝説はユダヤ勢力の植民活動/始皇帝の植民活動の先遣部隊か/国史は徐福の植民活動を隠 している/ユダヤ系秦氏の日本列島への植民/ユダヤ一神教と日本神道の共通性/渡来人による日本列島への植民と東漸

第9章 騎馬民族征服国家とは何か
ユダヤ亡命者がスキタイ騎馬民族に浸透/東漸するスキタイ騎馬民族国家/騎馬民族、扶余国が朝鮮半島と日本を席巻/扶余国系ユダヤ支配勢力が大和征服王朝を建国/「神武東征」とは騎馬民族国家による倭国の征服 
 
第10章 大和征服王朝とは何か
大和天皇制/百済亡命者の根拠地にアテルイは封殺された/大和朝廷の事実上の敗北宣言/ヒタカミ大戦争はエミシ側の勝利/部落は「蝦夷征伐」の過程で発生した/部落はエミシの強制収容所が起源 

第14章 アテルイ後の戦いとは何か
秋田エミシが元慶の乱を起こす/エミシ俘囚長、安倍一族の戦い/エミシ俘囚長、奥州藤原一族の戦い/豊臣秀吉の天下統一に抗した九戸政実の乱/幕藩体制を揺るがした三閉伊百姓一揆/近代天皇制国家は侵略と破壊をもたらした

第15章 日本の神話、伝説とは何か
日本神話は大和朝廷支配勢力が偽作した/田村麻呂は産鉄地、産鉄民を撃った/坂上氏も南海シルクロードの渡来系か/悪路王伝説は、田村麻呂の征服路に残った/達谷窟を毘沙門天で踏みにじる/桃太郎伝説はヤマトタケル伝説がモデル/鹿島神宮は藤原氏と関連がある

第16章 エミシの継承文化は何か
山男、山人とは何か/マタギ文化はどこから来たのか/鬼剣舞はどこから来たのか/安藤昌益とエミシ文化/宮澤賢治とエミシ文化/「がんばらない宣言いわて」と「むじくれ・天の邪鬼宣言」

エミシ、アテルイ関連年表

エミシの英雄、アテルイ謀殺から一二〇〇年

 今年、二〇〇二年は、大和朝廷による侵略と戦ったエミシの族長、アテルイとモレが、斬首されてから一二〇〇年になる。このためアテルイを顕彰する長編アニメーション映画「アテルイ」(製作・「アテルイ」製作上映運動推進岩手県民の会)の上映、アテルイ没後一二〇〇年記念企画展「甦れ アテルイ」(主催・アテルイを顕彰する会)など、岩手県を中心にさまざまな記念事業が予定されている。
 つい最近までは、アテルイという名前はほとんど知られていなかった。あるいは長い間、朝廷に逆らった逆賊としてさげすまれてきた。エミシについても、いまだにどのような人々であったか、単なる辺境人なのか、あるいは縄文人なのか、あるいはアイヌなのか判然としていない。また、エミシを「蝦夷征伐」の名のもとに征服した大和朝廷とはどのような勢力であったのか、真実に迫った論及がなされていない。しかし、この数十年の間に、徐々にではあるが、アテルイやエミシに関する、あるいは大和朝廷の支配勢力についての著作、創作が発表され、顕彰事業、記念事業、出版活動が、さまざまな個人やグループによって行われるようになってきた。
 主な著(新泉社)などの澤田洋太郎氏の一連の著作、『失われた原始キリスト教徒「秦氏」の謎』(学研)などの飛鳥昭雄氏の一連の著作、『シルクロード』(校倉書房)などの長沢和俊氏の一連の著作等がある。
 アテルイをめぐる動きは、岩手県や東北地方だけでなく、中央でもはじまっている。大部分の新しい中学校の歴史教科書には、アテルイに関する記述が登場し、好意的に書かれているものが多い。東京・新橋演舞場では、二〇〇二年八月に市川染五郎主演の舞台「アテルイ」が上演される。さらに関東の住民を中心に縄文研究会によるアテルイや縄文人に関する講演会の開催がなされている。

捏造され続けた日本の古代史

「日本の古代史には定説や常識はない」といわれてきた。『古事記』『日本書紀』などに書かれた公認の歴史、国史は、大和朝廷の支配、天皇家、公家勢力の支配を正当化するため都合のいいように偽作されたもので、真実を語っていない。それは中国や朝鮮半島の王朝、さらにはシルクロード周辺王国、メソポタミア古代王国からの借用、創作、捏造である場合が多い。
 エミシに対する侵略戦争にほかならない、いわゆる「蝦夷征伐」については、「野蛮な未開民族に対する皇民文化を求めて、あるいは宗教を布教するために、あるいは未開の土地を求めて、ステップ・シルクロード、オアシス・シルクロード、海のシルクロードを何日も何カ月もかけて移動した。そしてその背後には、国家権力を背景にして、先住民を支配し、植民しようとするさまざまな支配勢力が存在した。
 日本の歴史を考えるうえでも、日本列島の動きだけではもちろん不十分であるし、日本列島周辺の朝鮮半島、中国、シベリア、東南アジアなどを見ただけでも不十分である。少なくともシルクロードや中近東・メソポタミアまでを視野に入れたうえで考察しなければならない。中近東・メソポタミアはある意味では、シルクロードの出発点であり、日本列島は、ある意味では、シルクロードの終着点であるからだ。それは大和朝廷を考えるうえでも、エミシを考えるうえでもそうなのである。いまや島国的な歴史観を脱却し、地球大的な歴史観が求められている。

エミシ、アテルイに何を学ぶか

 縄文人とは何か。どのような生き方をしていたのか。エミシとは何か。どのような人々であったのか。どのような社会に暮らしていたのか。どのような文化をもっていたのか。どのような言語を話していたのか。「日アテルイの生き方に学ぶことは少なくないだろう。

「エミシってなんだろう」「アテルイって誰だろう」。素朴な疑問を解き明かす入門書です。

内容説明

西暦二〇〇二年で、大和朝廷の蝦夷征討に抗して闘った蝦夷の族長、アテルイとモレが懐柔と謀略によって斬殺されてから一二〇〇年になる。大和朝廷(桓武天皇)は、延暦八年の衣川の戦いで大敗。征夷大将軍坂上田村麻呂は四万の朝廷軍を従えて蝦夷征討に赴き、懐柔と謀略でアテルイとモレを誘き出し、河内国杜山で斬殺した。遙かなる縄文の風景を生きたアテルイとモレの血脈が、いまだにエミシの末裔に生き続けている…。

目次

前編 エミシとは何か(モンゴロイドとは何か;縄文人とは何か;エミシとは何か;エミシ社会とは何か;エミシ文化とは何か;エミシ語とは何か)
中編 大和朝廷とは何か(シルクロード文明とは何か;秦帝国とは何か;騎馬民族征服国家とは何か;大和征服王朝とは何か;桓武王朝とは何か)
後編 アテルイの戦いとは何か(アテルイの戦いとは何か;ヒタカミ大戦争とは何か;アテルイ後の戦いとは何か;日本の神話、伝説とは何か)

著者等紹介

久慈力[クジツトム]
1949年岩手県生まれ。ノンフィクション作家、住民運動家。乱開発反対運動、自然保護、行政監視、住民自治拡大などの実践・著作に取り組む。縄文文化、先住民文化、東北古代史、エミシの抵抗史に関心をもち続け、それらをテーマにした創作活動も行う。「もののけ姫」の批評をきっかけにして、懸案になっていた東北古代史の再構築へとりかかる。大和朝廷の内実にもせまる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とりもり

1
トンデモ本。阿弖流為について知りたくて読んだのに、内容は大和朝廷は古代ユダヤ人の末裔だとか、いわゆる日猶同祖論に基づく根拠薄弱な話が延々と続く。肝心の阿弖流為についての話はちょっとしかなく、全く物足りない。タイトルに偽りありで、久し振りに読んで無駄だったと後悔した一冊。超辛口の☆☆☆☆☆(無星)。2018/02/15

めぐみこ

0
目次から受けた印象と本文が噛み合わなかったorz なんでもかんでもユダヤにつなげる等、読んでいて強引だと感じる部分がた多い。表記揺れ・主語と述語の不一致・核となる人名の取り違え・敬体と常体の混合などもあり、非常に読みにくかった。久々に失敗した!と思った。

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