ヤシ酒の科学―ココヤシからシュロまで、不思議な樹液の謎を探る

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784826503112
  • NDC分類 658.5
  • Cコード C1045

出版社内容情報

マルコ・ポーロの『東方見聞録』でその存在を知ることができる〈ヤシ酒〉。ヤシの幹に傷を付けて採取した樹液が自然発酵した酒である事実は意外と知られていない。ヤシ酒の全貌を緻密な現地取材で紹介しながら、科学的分析を通して樹液の謎に迫る!

プロローグ

第1章・ヤシ酒との出逢い

スリランカの紅茶とヤシ糖/ヨーグルトとヤシ蜜/スリランカはヤシ酒の国/ヤシらしからぬキトゥルヤシの姿/キトゥルヤシの酒/パルミラヤシの酒/ココヤシの酒/プレオナンシックとハパクサンシック/植物の導管と篩管/導管流の原理/篩管流の原理/甘い樹液は篩管液/ヤシ樹液の醗酵…/ヤシ酒の醗酵は続く/アラックの味/北のブドウ酒と南のヤシ酒/別れ/

第2章・各国のヤシ酒

インドネシアはイスラム教国だった/サトウヤシからつくるヤシ糖/サゴ澱粉の製造/家内工業でつくるヤシ糖/屋の掘出物/ボロブドール遺跡とヤシ糖/ついにマルコ・ポーロの酒を飲む/スマトラ島のヤシ酒/タイのヤシ酒/タイのヤシ糖/ヤシ樹液の変質防止/フィリピンのヤシ酒/ヤシ酒は高級スーパーにない/ヤシ酒の産地ラグナ州リリウ/インドのヤシ酒/その他の国々/幹頂部からの採液法/

第3章・スリランカ再訪

樹液の謎を解くヒント/ネゴンボの居酒屋/ココヤシ研究所/ココヤシの採液法/国道の居酒屋/パルミラヤシ開発局/パルミラヤシの採液法/ヤシ酒蒸留工場/ヤシ酒職人の親子/キトゥルヤシの採液現場/キトゥルヤシ

●書評再録『ヤシ酒の科学』
 …『ザンジバルの笛』と同じような強烈な探求心に貫かれて、ただしもう一歩だけ趣味の側に寄って書かれたのが『ヤシ酒の科学』である。
 日本でこの酒の味を知っている人は少ない。筆者は植物病理学の専門家だが、スリランカで初めてこの不思議な酒に出会って、以来行く先々でこれを追いかけて味わい、製法を調べ、しばしば自分の専門に戻ってなぜこのような酒が存在しうるのかを分析する。
 よく誤解されるところだが、ヤシ酒はココヤシの実の中のいわゆるココナット・ジュースから作るのではない。あれは糖分が薄くて酒にならない。ある種のヤシの花序を切って、ここから滲出する液を器に受ける。これを放置しておくと、やがて、アルコール分で五から八パーセントの酒に変わる。これがヤシ酒で、日本酒の半分だがビールよりは強い! 庭にヤシを植えておくだけでいくらでも酒が飲める!
 ぼくが飲んだのはミクロネシアのヤップ島だった。懇意な宿の主に頼んでおいたらどこかから調達してきてくれた。軽くて、さわやかで、うまいものだった。
 更にアルコール度を高めるのなら蒸留すればいい。スリランカにはちゃんとこの種の酒のブランドがあるとい

日本で出版されている「ヤシ酒」に関する唯一の書籍です。カラー前付け4頁と全編にわたる写真図版で、あなたを「ヤシ酒」を探す旅にお連れします。ヤシ酒ができる仕組みについての科学的解説もしっかりと書かれており、専門家の方も必読の一冊!

内容説明

マルコ・ポーロの『東方見聞録』でその存在を知ることができる“ヤシ酒”。ヤシの幹に傷を付けて採取した樹液が自然醗酵した酒である事実は意外と知られていない。ヤシ酒の全貌を緻密な現地取材で紹介しながら、科学的分析を通して樹液の謎に迫る!汲めども尽きぬ、ヤシの酒。

目次

第1章 ヤシ酒との出逢い(スリランカの紅茶とヤシ糖;ヨーグルトとヤシ蜜 ほか)
第2章 各国のヤシ酒(インドネシアはイスラム教国だった;サトウヤシからつくるヤシ糖 ほか)
第3章 スリランカ再訪(樹液の謎を解くヒント;ネゴンボの居酒屋 ほか)
第4章 不思議な樹液の謎に迫る(ヤシ酒に残った最後の謎;植物の光合成 ほか)

著者等紹介

浜屋悦次[ハマヤエツジ]
1929年東京都生。東京大学農学部卒。農学博士。専攻は植物病理学、植物ウイルス病に関する研究で日本植物病理学会賞受賞。農林水産省在職中は各種作物病害の研究に従事、東京大学大学院講師、科学技術会議専門委員(組換DNA分科会担当)を兼務。農林水産省退職後は日本女子大学講師、東京バイオテクノロジー専門学校講師など。現在は各地の食文化について情報収集中。著書に「植物組織培養」「植物組織培養の技術」「応用植物病理学用語集」など、訳書に「セイロン島誌」がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

最近チェックした商品