出版社内容情報
明治4年の賤称廃止令による弾役所の解散によって記録文書のほとんどは消失してしまった。限られた資料を作家の眼で捉え、小説の舞台を視覚的に再構成する。原文には解説を付し、地図・写真・イラストを豊富に収録。
一章 弾左衛門由緒書/1 弾左衛門とはなにか/2 池田領火打村/3 鎌倉から江戸へ/4 江戸尼店から鳥越へ/5 頼朝御証文の二十八座/二章 浅草新町時代の制度/1 弾左衛門制度の確立/2 弾左衛門支配の危機/3 浅草新町図/4 浅草新町軒数/5 弾左衛門の役所兼居宅(付・新町宿)/6 白山神社/7 弾家菩提寺・本龍寺/8 在方長吏支配/9 猿飼・非人・乞胸支配/10 溜と非人寄場 /三章 幕末の弾左衛門/1 嘉永一年の溜焼失/2 弾直樹の出生/3 小太郎の弾左衛門襲名/4 十二代弾左衛門周司/十三代弾左衛門直樹/6 縦隊取建/7 身分引上/8 病院取建/4章 賤称廃止と穢多頭消滅/1 維新後の弾家/2 「弾左衛門」の最後/3 弾直樹の賤称廃止の方針/4 斃牛馬勝手処置令と弾直樹/5 廃藩置県と官制再編成/6 賤称廃止令布告/7 穢多頭消滅と弾家/付章 『浅草弾左衛門』に関する小文/1 忘れていた風/2 どこにもない場所/3 「弾左衛門」のシニフィエ/4 書簡/資料目次/絵図目次 /表 目次/付録(弾左衛門系図)
内容説明
関八州穢多頭弾左衛門直樹の波乱の生涯。天保から維新にむけて激流を生き抜き、反差別の闘いの渦中で悲運の死を遂げた弾左衛門直樹の実像に迫る。明治四年の賤称廃止令による弾左衛門役所の解散によって、残存記録文書のほとんどは消失してしまった。限られた資料・研究書を頼りに、弾左衛門の始祖、源氏の血統を辿りつつ頼朝御証文の真偽を証すなど、さまざまなエピソードを織り混ぜながら、作家の眼で捉えた興味深い資料集。原文には解説、注を付し、地図・写真・イラストを豊富に揃え、小説の舞台を視角的に再構成した資料篇。
目次
1章 弾左衛門由緒書
2章 浅草新町時代の制度
3章 幕末の弾左衛門
4章 賤称廃止と穢多頭消滅
付章 『浅草弾左衛門』に関する小文