出版社内容情報
沖縄の民俗・民族学者=金城朝永の代表作である『異態習俗考』は、一九三三年に六文館から出版されたが、当時の民俗学の主流は、柳田国男の学問的閉鎖主義によって一国民俗学に収斂されつつあった。日本の民間伝承の史料を再構築して、異人論・マレビト論を展開した岡正雄・折口信夫・中山太郎らの民俗学の方法は、柳田国男の農耕民を基盤とする「常民」概念によって徹底的に排除され抑圧されてしまった。金城の民俗・民族学は、非主流の中でひときわ異彩を放ち、柳田民俗学の範疇を越える発想をもった異色で個性的な研究である。*解説=礫川全次
●人類犠牲譚・その他/人類犠牲譚/変態世界葬礼考/殉葬綺譚/頭蓋骨崇拝/食人鬼ビーン●呪詛秘録・その他/呪詛秘録/犬神/憑く狐/トウビヨウ●拭う習俗・その他/拭う習俗/厠に関する習俗/屎尿雑記●乱婚異説・その他/乱婚異説/花嫁の性的羞恥/結婚直後の禁欲●琉球の島々に於ける性生活・その他/琉球の島々に於ける性生活/島の女/琉球の遊女/琉球の遊里文学
内容説明
本書は、1933年に六文館から出版されたが、当時の民俗学の主流は、柳田国男の学問的閉鎖主義によって一国民俗学に収斂されつつあった。日本の民間伝承の史料を再構築して、異人論・マレビト論を展開した岡正雄・折口信夫・中山太郎らの民俗学の方法は、柳田国男の農耕民を基盤とする「常民」概念によって徹底的に排除され抑圧されてしまった。金城の民俗・民族学は、非主流の中でひときわ異彩を放ち、柳田民俗学の範畴を越える発想をもった異色で個性的な研究である。
目次
人類犠牲譚・その他
呪詛秘録・その他
拭ふ習俗・その他
乱婚異説・その他
琉球の島々に於ける性生活・その他
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- 和書
- たいめいけんよもやま噺