蝦夷とアイヌ

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蝦夷とアイヌ

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  • サイズ A5判/ページ数 318p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784826501927
  • NDC分類 211
  • Cコード C3021

出版社内容情報

日本の原住民の起源を辿ろうとすると、単一民族幻想というある種のイデオロギーを前提にしてしまうのはどうしてだろうか。山哉もその例にもれず人種的先入観が先行しているが、エミシ論・アイヌ論・日本人論の困難さを射程に入れつつ、山哉は、「蝦夷はアイヌではない」、現在、北海道のアイヌ民族は日本の先住民族ではなく、東北人はアイヌの後裔ではない、東北人は確かに蝦夷(エミシ)の後裔ではあるが、蝦夷はアイヌと異なる、と主張する。蝦夷=アイヌ説に抗して蝦夷=非アイヌ説を生涯主張した山哉の、独自な、そして危険な史観を新たな視点で解読する。*解説=礫川全次

第一章 序論/第一節 江戸時代の蝦夷/第二節 室町時代の蝦夷/第三節 エゾに就いて/第四節 体質学上の日本石器時代人種/第五節 毛人と毛人国/第六節 雄略帝の上表文 一、毛人とアイヌ説 二、宋書記するところの毛人 /第七説 毛人の意味 一、アイヌ人との接触 二、国史に現われる毛と土毛 三、毛の意味/第八節 毛人と蝦夷 一、唐書の毛人 二、国史上の毛人 三、大毛人也の研究 四、弘法大師の毛人羽人 五、平安初期の毛狄/第九節 令集解の毛人雑類 一、夷人雑類 二、毛人と夷人 三、作毛と立毛第二章 渡島の蝦夷とアイヌ編年史第三章 渡島の狄/第一節 民俗学上のアイヌ族/第二節 アイヌ人種の先祖/第三節 粛慎とアイヌ人/ 第四節 縄文土器と古墳/第五節 原住民族の行商 一、緒言 二、奈良時代 三、平安初期 四、歌詠から観たエゾ 五、エゾ退転の時期 六、北海道の土城と角逐 七、諏訪絵詞から観た渡島の狄 八、江戸時代のクルミセ族 九、明治時代の北千島土人 一〇、行衛を突き止めて/第六節 松前とアイヌ/第七節 コロボックルの口碑第四章 内地の蝦夷編年史序論/第一節 編年史論の基準 一、蝦夷とアイヌ/第二節 天ノ朝時代陸奥の経営

内容説明

日本の原住民の起源を辿ろうとすると、単一民族幻想というある種のイデオロギーを前提にしてしまうのはどうしてだろうか。本書もその例にもれず人種的先入観が先行しているが、エミシ論・アイヌ論・日本人論の困難さを射程に入れつつ、本書は、「蝦夷はアイヌではない」、現在、北海道のアイヌ民族は日本の先住民族ではなく、東北人はアイヌの後裔ではない、東北人は確かに蝦夷(エミシ)の後裔ではあるが、蝦夷はアイヌと異なる、と主張する。蝦夷=アイヌ説に抗して、蝦夷=非アイヌ説を生涯主張した著者の、独自な、そして危険な史観を新たな視点で解読する。

目次

第1章 序論(江戸時代の蝦夷;室町時代の蝦夷;エゾに就いて ほか)
第2章 渡島の蝦夷とアイヌ編年史
第3章 渡島の狄(民俗学上のアイヌ族;アイヌ人種の先祖;粛慎とアイヌ人 ほか)
第4章 内地の蝦夷編年史序論(編年史論の基準;天ノ朝時代陸奥の経営;大和朝時代の陸奥の経営)
第5章 内地蝦夷の編年史
第6章 津軽の蝦夷(江戸時代の狄;上代の津軽;系譜から観た安東氏 ほか)
第7章 出羽の蝦夷(出羽の柵;出羽の反乱;考古学上の出羽 ほか)
第8章 陸奥の蝦夷(エビスに就いて;蝦夷尤も強し;景行紀の蝦夷 ほか)
第9章 結論(蝦夷即アイヌの論拠;蝦夷非アイヌの論拠;蝦夷非アイヌの結果)