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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miyuki
3
8月3日より。岩波文庫版より内容がコンパクトで読みやすいです。岩波文庫の解説によれば、流布本のほとんどは詩の並びが俗受けしやすいように恣意的に並び替えられているそうですが、それ故に章ごとにかなり読みやすいです。朔太郎も言っていたそうですが、変化に乏しい詩風の詩人なので、この詩風が嫌いな人はとことん読みづらいかもしれません。好きな人は引き込まれるように妖しいメルヘンの世界に没頭していくでしょう。ひらがなが異様に多いので、日本語の韻律感覚や感受性豊かな人には溜まらない思います。官能と童心が両立してる詩人です。2015/08/04
あきこ
3
[……/ああ/まぼろしに人閒のたましひをたべて生きてゆくばらのはな、/おまへのねばる手は雑草の笛にかくれて/あたらしいみちにくづれてゆきます。/……](「薔薇の誘惑」) すごくよかった。蛇とか蛙とか魚もいっぱい出てくる。変な色も。こういうの読むと夢(夜ねむってるときに見るやつ)ってことばでできてるんだなーほんとうにって思う2013/02/26
den55
1
北原白秋門下の三羽烏(犀星、朔太郎)と言われた詩人。病弱だったが詩作を継続できたのは生家と仕事、友人に恵まれた為か?作品としては初期のほうが勝っていると思われる。後期になれば情緒的な部分が顔を出しすぎる。初期作は夜、鳥、鴉、森などが頻出する点でトラークルを彷彿させるところも多い。だが、決定的に何かが足りない。それは絶望と死だ。トラークルのような病的で死を意識させる絶望の深さはない。或いは発狂寸前の汗、熱もない。日本詩人がそれを手にするのは、その後、戦後になり命と政治の絶望を迎えなければならないのだろうか?2021/02/26
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